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「ヒカリ。これ、あげるよ」
「おー!ありがとう!」





面倒な説明会もやっと終わり、今はお昼の時間。
弁当持参で、この後チームごとに集まって担当上忍と会う。

どうせ同じチームの三人とは後で会うのだし、席が隣になったシカマル達とお昼を食べることにした。
シカマルの他にチームには男女一人づつ。
秋道チョウジと山中イノだ。

チョウジは優しい子らしい。
さっきポテチを一枚分けてくれた。


自分のことは特別に元々忍の心得が少しあったので火影に融通してもらえた、ということにしておくことにした。




「これ美味しいね。何て味?」
「これはね、焼肉の牛塩マヨネーズカルビっていって、焼肉のカルビに塩とマヨネーズをかけた」「おいチョウジ、聞いてるだけで胃もたれしそうだから、その説明止めろ」
「え?けっこういけるよ、これ」
「でしょ?」
「…お前らな…」
「あ。ナルト」


チョウジの声に反応し、皆も彼の視線の先に目を向ける。

すると、ナルトが近くの建物の中で窓のようなところから顔を出してお昼ご飯を食べていたサスケに、こそこそと近づいているのが見えた。

「あーあ。サスケが襲われるー!」
「あ、ナルトが飛び込んだよ」

ナルトがサスケに掴みかかった途端に窓は衝撃で閉まり、音が微かに聞こえるだけだ。少し騒いでるような音しか聞こえない。
そしてしばらくすると、中から聞こえる騒音は止んだ。






…と、建物の中からでてきたのはサスケだった。なぜか勝ち誇ったような顔。



サスケはプライドが強い。
ドベと主席では勝負は目に見えているだろうと、人を見下すような癖がある彼が、まさかこんなところで勝ち誇るだろうか。


シカマル達は、やっぱりかといった様子でナルトに呆れている。


彼の変化が予想以上の出来だったのは単に驚いたが、ナルトらしい。
この調子ではこの先大変だろう。






いつの間にか会話と食事に戻っていたシカマル達にはトイレに行くと告げて、ヒカリは建物から飛び降りた。
少し離れたところでそっと変化を解く。




そして、俯きがちに口角を上げた。



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