「雷蔵って優しいよね」


そう言うと、雷蔵は元々丸い目をもっと丸くさせて不思議そうに私を見た。


「そうかな?」

「うん。後輩とかには勿論だけど、同級生とかくノたまとか皆が雷蔵のこと優しいって言ってるのよく聞く」


嫉妬深い女だと思われないように、かつ嫉妬しているということを伝えるために、なるべく遠回しに笑顔でそう言うと、雷蔵は小さく溜息を吐き、私をギュと抱きしめた。


「んーでも、僕がこうやったり、わがまま言ったりするのはなまえちゃんにだけだから」


そう言いながら、他の人には決して見せないような、まるで子どもが母親に甘えるように私を抱きしめている雷蔵を見ていると、さっきまで些細なことで焼きもちを妬いていた自分が凄くちっぽけに思えてしまう。

あぁ、雷蔵には敵わないなぁ。そう思いながら、目の前の雷蔵をギュと抱きしめ返した。


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