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「その大切な話って…」

そして、貴方にも。

「…レンさん。婚約、解消しましょう」

足枷もない、自由を与えてあげられる。







私はたくさんの幸せと愛を貴方からもらった。
けれど私は、何も貴方にあげられなかった。
だからこれが、私の最初で最後の贈り物。

「…綾華、何を言って…」
「ずっと、考えていたことです」
「…速水家が言っていることなのかい?」
「いえ、私がただ単に言っていることです」

そんなにも家が気になりますか?
そんなにも、家のことばかり考える貴方は、本当に優しい人。

だからもう、

「私たちは解放されるべきなんです」

私たちは、捕われているばかり。
何をするにしても大人たちのいいなり。
レンさんに関しては、もう自立した。
ならば、もう、これで解放されたも同然だ。



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