断固、拒否反応。 | ナノ

◎3

私は授業がすべて終わり、家に一旦帰ってからまた学校への道を歩く。
今度は、サングラスを掛けて。
だって、学校の人にこんな、早乙女学園の学園長が親戚です、なんてばれたら大変なことになる。
だから私は、できる限り顔を隠すように尽力した。

すると、

「…っ」

野球部、そしてサッカー部の子たちが外周していた。
ああ、もう、よかった…顔隠してて。
そう思ったことは言うまでもない。

そして、早乙女学園の正面玄関。
そこにはガードマンが付いている。
さすがは次世代の芸能人育成に力を注いでいるだけのことはある。
安心して学園生活を送れるように、とのことなのだろう。

そして、私はそのガードマンに、

「学園長に用事なんですけど、通してもらえますか?」

と問えば、

「アポイントがなければお通しすることは…」
「桐沢 綾華が来たと、お伝え下さればきっとわかります」

そう私が言えば、少し信用が置けないような顔をされて、連絡を取ってくれた。
すると、

「大変失礼しました…っ、どうぞ、お通りください!」

顔色を変えて、私を迎え入れるこのガードマン。
いや、別に入れてくれないなら入れてくれないほうがよかったんだけどね。
そう思いながらも『ありがとう』と言って、入る。

ああ、遂に。
遂に、この地に入ってしまった。



mae tsugi

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