断固、拒否反応。 | ナノ

◎2

「模試の返却するぞ。今回の模試、クラストップは桐沢 綾華。全国順位は63番」

先生のそんな声に、クラスメイト達は『すごっ、さすが桐沢…!』とか『さすが入試首席だったことはあるよね…綾華』なんていう声が聞こえる。
全国順位が100番以内だったということはあまりないために、私もすごく嬉しい。

「綾華すごいじゃん!」
「ありがとう、真奈美」

素直に喜んでいた。
この結果に、不服なんてなかった。
なのに、

「ただ…」

先生の次の言葉で気分はガタ落ち。

「早乙女学園に全国模試50番、30番を取られている」

…あの早乙女学園の奴に負けた。
それが何より悔しかった。
進学なんてしない、ただのほほんとしてて、歌を歌ったり、五線譜に丸を書けばそれでいい、そんな奴らに負けた。

それはものすごく悔しくて、私の変なプライドに火がついた。

「…っ、私、次の模試で10番以内取ってみせる」
「は?綾華、何言ってるの?」
「あんな早乙女学園の奴に負けただなんて、私のプライドが許さない…!」

もう、私は絶対にあんな奴らに二度と負けない…!
そう思って、私は帰りに参考書を買うことを決めた。

真奈美の、『先生の馬鹿野郎』という声は、聞こえなかった。
ただ、嫌なのよ。
あんな学園の奴らに、進学校であるこの高校が負けたことが。




mae tsugi

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