私たちは駐車場に車を入れ、エントランスに向かう。
エントランスに向かえば、『お帰りなさいませ、御幸様』と恭しく挨拶するコンシェルジュがいて。
御幸も少し軽く礼をして、歩いていく。

さすがは高いマンションだなあと思いながら、オートロックのドアが開き、エレベーターの方に向かう。


「こんなところ、無料で住んでるなんて本当罪なやつね」
「はっはっはっ、なら綾華も住むか?」
「え?!」
「冗談だって」


『さすがに俺だって段階はちゃんと踏むから』と何やら意味深なことを言う御幸に、私は、彼の中で描いている今後にすごく疑問を抱く。
まあそんなこんなで御幸…いや、東さんの部屋のある25階にエレベーターが止まる。
扉が開くと、


「お、御幸じゃん」
「げ、…カルロ」


あれ、この人見たことある…。

そう思いながらこの色黒の彼を見ていれば、その彼も私に気付く。
私を見るなり、『あれ、もしかしてCherioのAyaka?』と言う。

あれ、会ったことあったかな、と思いきや、


「何でカルロが知ってんの?」
「いや、白河が読んでる音楽雑誌の表紙になってたことあったの見てさ。あと、坊やが好きなんだよ」
「坊や…って鳴か!?」
「そうそう」


とりあえず私と御幸はエレベーターから降りて、カルロさんと話す感じになっていた。

『何で鳴が海外の女性誌のモデル知ってんだよ』と御幸が言えば、『多分鳴の姉貴の影響だろ』『ああ…』なんて会話が繰り広げられていて、私にとったら、彼もそうだけどその “坊や”こと “メイ”さんも知らないから、御幸からの説明が欲しいところなのだが。

坊やというぐらいだからきっと男性なんだろうけれど。




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