私の本音は、気持ちは。

どうしたら正しいのか、どうしたらみんなが幸せな方向に行けるのか。
そればかりを気にするから。

林檎の言いたいこともわかってる。
けど。

「強がったらダメ」
「…林檎…」
「アタシは綾華の友達でもあるけれど、龍也の友達…いや、戦友でもあるから言うけれどね。龍也は綾華のことを本当に今でも好きなのよ。愛しているのよ」
「…っ」
「知らないでしょう、綾華。龍也はね、綾華が学園を去った後、辞表を持ってシャイニーのところに行ったんだからね」
「え…っ」
「『俺は綾華と一緒に生きていきたい。だから、退学させてくれ』ってね」

そんな話、知らなかった。
知るはずもなかった。

だって、…誰も何も言わなかったから。

龍也。
なんであなたはそんなに私にしてくれるの。
なんでよ。
どうしてよ…。

「けど、シャイニーがそれを許さなかったの。『Miss.桐沢はMr.日向の芸能人生に傷をつけないためにこの学園を去ったのでーす!それをYOUは踏みにじるつもりですかー?』って」

テレビで龍也を見たとき、嬉しくもあり、こう思った時もあったんだ。
『なんで私は今、あなたの隣にいないのに笑っていられるの』って。
そう思った時もあったんだ。
結局、私の存在ってそんなもんだったんでしょうって。
でも、違ったんだね。

龍也、龍也、龍也。
私は、あなたが好き。
それは、今も変わってない。
でも、

「綾華、綾華は一体どうしたいの?」
「…わ、たしは…」
「素直にならないと、後悔するわよ。綾華、あなたは龍也のことをどう思ってるの」

mae ato
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