ネタメモ | ナノ

2020/07/09 Thu

※R-18
※主人公がドM


「なあんか、思ってたのとちがったなあ」

主人公とフーゴは清く正しいお付き合いをしていた。
真面目なフーゴを散々誘って、やっと身体を繋げたのが昨夜のこと。

「何がですか?」

主人公の言葉にフーゴは首を傾げる。フーゴは寝起きの恋人にカッフェを運んでやるくらいには、普段は優しい男だ。
しどけなく優美に身体をシーツの上に横たえた主人公は、退屈したウルビーノのヴィーナスのよう。
そんな彼は恋人の淹れてくれたカッフェに口をつけて、言い放つ。

「なんかお前、思ったより普通のセックスするのな」
「な…………ッ」

フーゴ、絶句。

繰り返すようだが、フーゴは普段とても紳士的で優しい、頭のいい男である。ただその癇性に問題があるだけで、何もなければ優しく思いやりのある青年だ。
だから、恋人相手とあらば寝間でも精一杯甘やかして、大切にしてやろうという気持ちが強かった。そして実際そのようにした。
その仕打ちがこれである。

「ふ、普通じゃあ……いけないんでしょうか?」
「いけないっていうか、イケないっていうか……なんていうかさ、おれどっちかってーとドMなんだよね」

フーゴ、再び絶句。

「ブチャラティに冷たく見下されながら犯されたいし、レオーネにはどうやっても力で抗えないから無理やり押さえつけられて犯されたい。ミスタもああいう陽気なタイプってちょっとSっぽくていいなって思うし、ナランチャはもういかにもショタって感じだからもうそれだけで興奮……」
「……やめろそれ以上言うなッ!」
「あ、それだよ。その感じッ!」

フーゴの怒号に主人公はパチンと指を鳴らして喜んだ。
無力感にうなだれた後、フーゴは顔を上げてやっとこれだけ聞いた。

「どうして……どうして僕と付き合おうと思ったんです……?」
「顔が良くてドSっぽかったから」
「……」

その後試行錯誤したものの、やはり主人公の求めるプレイにはならず(フーゴも努力したが素面状態ではSに徹しきれずダメだった)、悶々とした日々が続く。
そんな中、業を煮やした主人公が大量のキスマークを付けて帰宅。フーゴに何とかして火をつけたいけど、浮気をするのは嫌だなぁと考えた主人公が、チームのメンバーにお願いしてキスマークをつけてもらったのだ。
そんな事情は知らないフーゴ、今度こそプッツン。

怒りに任せて手酷く主人公を抱くが、生粋のドMの主人公はそれがかなりお気に召したらしい。
以降、ムラムラするとメンバーに強請ってキスマークを付けてもらう主人公と、「あ、今夜ヤリたいんだなあ」とチーム内に事情がダダ漏れになってしまう一組のカップルが爆誕した。

「いっ、ァ、アァ…っ!ん、ゥ」
「何へばってんですか?ほら、ちゃんとナカ締めないと僕が気持ちよくないでしょう。……オラッ!!聞いてんのか?!締めろってんだよ!!」
「ぐ、ァ……ッ!!!ごめ、なさ、ァンッ!」

苦しみではなく、悦びで狂い悶える主人公と、未だキスマークの種明かしをしてもらえないフーゴ。




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