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冬期講習も終わり、3学期が始まった。
及川くんとの関係は相変わらず。クラスも違うし、ほとんど見かけることはなく、たまに見かけたとしてもだいぶ距離があった。
それでも、3学期が始まってから最初に及川くんを見かけた時には、久しぶりに見たその姿に、なぜかあたしはホッとした気持ちになったのだった。
そんなある日。
「ん? なんか今日、緑野、顔色悪くない?」
朝、鈴木くんにそう声を掛けられた。
「そう…? 外寒かったからかな…」
「ならいいけど…、無理すんなよ」
「うん、大丈夫」
少し、自覚はあった。その日は生理2日目で軽く貧血気味だったのだ。
だけど、生理痛もほとんどなく、生理中にしては体調はかなりマシな方だった。
午後に体育の授業があったが、朝から雨が降っていたこともあり、体育館でバスケットボールになると思っていた。
球技が極端に苦手なあたしは、おそらくほとんど動くことはない。見学にするほどでもないかと思っていた。
だが、雨はお昼前に止み、午後の体育は持久走となったのだった。
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