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放課後の北校舎。

先日の中間テストでゲームに負けたあたしは、先程から及川くんのキスの攻撃を受けていた。

「んん…っ、待っ…てってば…!」

「濃いの、しようねって言ったじゃん」

「ど、同意した覚えはないもん」

「負けたんだから、同意したようなもんでしょうが」

「し、舌入ってくるとか、聞いてない…っ」

あたしの言葉に及川くんは一瞬キョトンとした表情を見せ、ポンポンと頭を軽く叩くと、そのままぎゅっと抱きしめた。

「なっ、何…!?」

「いや。壮絶に可愛いなと思って」

「い、意味わかんない…!」

「いやー…、迷うよね」

「な、何が…?」

「蜜柑ちゃんのそういうとこ、壊したいような、簡単には壊したくないような…」

「へ…?」

言葉の意図を読み取れないあたしに、及川くんはもう一度だけ、軽いキスをするとニッコリ笑った。
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