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「なんか緑野…、雰囲気変わったな」

予備校の夏期講習の授業が終わり、そう話しかけてきたのは、同じクラスの鈴木くん。

「そう…かな?」

「うん。メガネやめてコンタクトにしたのも、そのポニーテールも、すごく似合うと思う」

「あ…、ありがとう」

「じゃあ、また明日」

「うん、また明日ね」

及川くんと付き合い始めて3週間。強引に言いくるめられて、私の外見は着々と変身を遂げていた。

まず、メガネ禁止。
バイト代でコンタクトレンズを買ってくれた。

次に、三つ編み禁止。
夏は暑いからポニーテール推奨だそうだ。

そして、制服のひざ下丈のスカート禁止。
及川くん曰く、スカートの丈は、ひざより上にあればある程いいらしいが、そこはひざがやや見えるくらいで勘弁してもらった。

私の変わりぶりに、堅物なお父さんは心配したが、明るい性格のお母さんは嬉しそうだった。私の子だもの、オシャレすればいくらでも可愛くなるわよ、なんて言っていた。
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