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「ごめん、やっぱいいや」
あたしが答える間もなく、鈴木くんはそう言った。
「そういえば緑野、今日のリーディングの予習してある?」
「え…っ、あ…、うん!」
「ちょっとわかんないとこあってさ、今から聞いてもいいかな」
「う、うん!」
全く違う方向に話を反らされ、そのまま休み時間はリーディングの勉強で終わってしまった。
" なんて答えるつもりだった…? "
鈴木くんのその言葉が、頭の中を巡っていた。
真っ直ぐに気持ちをくれる鈴木くん。変な駆け引きもせず、直球で向き合ってくれる人。
こんな風に想ってもらえるなんて、すごく贅沢なことで、他の誰かと悩んで答えを待たせている自分が狡く思えた。
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