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クラスが違う私たちは、及川くんが学校に来ていないと知ったのは放課後になってからだった。
慌ててメッセージを送ると、すぐに返信が来た。
インフルエンザだって
カッコ悪
不戦敗だね
巻き込んでごめん
15:32
よりにもよってテスト当日に、まさかのインフルエンザだった。
「及川、何だって?」
「あ、鈴木くん…。インフルエンザ…だって」
「マジか。自分から勝手な条件でふっかけてきておいて不戦敗って、ほんと勝手だなアイツ…」
呆れたように鈴木くんが笑う。
「正直、諦めるしかないなって思ってたけど、俺、チャンスだと思うことにするから」
「え…?」
「負けたら話しかけない、及川も同じ条件なんだ。インフルエンザだろうが何だろうが負けは負け。つまり俺は及川に邪魔されずに緑野のこと口説けるってことだろ」
「へ…?」
「というわけだから、またな緑野」
そう言うと鈴木くんは颯爽と帰っていった。
あたしは急な展開についていけずに、しばらく教室にたたずんでいた。
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