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「そういえばさぁ、蜜柑ちゃん結構鈴木くんに色々されたでしょ」
「え…?」
「つーか、中庭!何で俺の知らないとこで鈴木くんと会ってんの」
鼻先をムギュっとされる。
「な、なんで知って…」
「だって見えたんだもん、3階の渡り廊下から。つーか、あのとき、告白するわ頬にキスするわ、鈴木くん、結構やってくれたよね」
確かに…
あれはびっくりした。
「あげく、未遂とはいえ、化学準備室では無理矢理キスまでしようとしやがって…。俺が行かなかったらファーストキスは鈴木くんだったね、蜜柑ちゃん」
「う…、うん」
「あんなとこで二人きりになるなんて、油断しすぎでしょうが」
ほっぺをムギュっとつねられる。
い、痛い…
いつの間にか怒りの矛先があたしに…
「多分、鈴木くん、まだ蜜柑ちゃんのコト諦めないと思うんだよね」
「え…?」
「ゲームに負けたし、この前のコトもあるし、当分は大人しいだろうけどさ」
及川くんの手が、あたしの頬を包む。
「そう簡単に諦められるような女の子じゃないから、蜜柑ちゃんは」
なぜか満足気にそう言うと、静かに唇が重なった。
優しいキスに、あたしは目を閉じた。
END
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