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「蜜柑ちゃん、何食べる?」
花火大会らしく、河べりへ続く道にはたくさんの屋台が出ていた。
「あ!りんごあめとか好きかも」
「りんごあめは食べる姿がアレだから駄目」
「は…?」
「ほら、わたあめは?買ってあげるから」
「え!ほんと…!?」
「うん。てか、いつも俺がいくら頑張っても冷たい表情なのに、わたあめぐらいでそんな嬉しそうな表情するんだね、蜜柑ちゃん」
「え…、いや…」
悲しそうな及川くんの表情に、何故か罪悪感。
だって、いつも無茶なことばっかり言うから…
「はい、わたあめ」
「あ…、ありがとう」
「わたあめピンクだから、浴衣姿に合うね。よし!ヨーヨーも買おう。赤いやつ」
「え…!?ちょっ」
及川くんの言うままに連れまわされ、気づくとあたしたちはいくつもの屋台をハシゴしていた。
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