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放課後、学校から続く並木道を及川くんと歩く。
見上げると、硬かった桜のつぼみが柔らかみを帯び、先端から少しピンク色を覗かせている。
その下で、当たり前のように繋がれた手が、何とも言えず嬉しい。
「及川くん、もうすぐ3年生だね」
「だね。蜜柑ちゃんと同じクラスになれるかな」
「うーん…、理系の及川くんとは、なれないんじゃないかな。まぁ、でも受験生だしね、クラスとか関係なく、ちゃんと勉強しないと!」
「うわ…、相変わらず真面目…。でも、たまにはゲームしようよ。勝ち逃げはズルい」
「そう簡単には負けないけど?」
「いいよ、その方が燃える。蜜柑ちゃん、もう俺の彼女だからね。これからはキスぐらいじゃ済まないよ」
「え…?」
その言葉の意味をすぐに理解できない私に及川くんは苦笑して、そのまま抱き寄せて、おでこに優しいキスをした。
END
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