2/2

放課後、学校から続く並木道を及川くんと歩く。

見上げると、硬かった桜のつぼみが柔らかみを帯び、先端から少しピンク色を覗かせている。

その下で、当たり前のように繋がれた手が、何とも言えず嬉しい。

「及川くん、もうすぐ3年生だね」

「だね。蜜柑ちゃんと同じクラスになれるかな」

「うーん…、理系の及川くんとは、なれないんじゃないかな。まぁ、でも受験生だしね、クラスとか関係なく、ちゃんと勉強しないと!」

「うわ…、相変わらず真面目…。でも、たまにはゲームしようよ。勝ち逃げはズルい」

「そう簡単には負けないけど?」

「いいよ、その方が燃える。蜜柑ちゃん、もう俺の彼女だからね。これからはキスぐらいじゃ済まないよ」

「え…?」

その言葉の意味をすぐに理解できない私に及川くんは苦笑して、そのまま抱き寄せて、おでこに優しいキスをした。

END
[ 2/2 ]

←Prev | 目次 | TOP | Next→

×
「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -