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物心がついた時から、親だと思っていた両親は本当の親ではなかった。

俺は赤ん坊の時に捨てられたらしい。天聖堂の十字架の下に。

天聖堂ってのは、まぁいわゆる教会みたいなもんで、天使界で最も神聖な場所だ。神に最も近い所とか、言われてたりする。

俺の本当の親は、何を考えてたのか知らないけど、俺をそんなトコに捨てたもんだから、俺は天使の中でもある程度高貴な家柄の今の父親に拾われた。

育ての親は俺に、「戒人(カイト)」という名をつけた。

「戒」というのは、天使界での位の一つで、聖律を司る、最も上の位の名。

聖律っていうのは、天使が遵守すべき神聖な掟。大昔に神が天使を創った時に、神から与えられたとか言われてる。

「戒」はそんな聖律を司る最高位。
その神聖さゆえに、権威もある。

「戒」まで登りつめるのは簡単なことじゃない。でも、「戒人」なんて名前をつけられて、「戒」以外の地位にいるなんて、名前敗けだ。

俺は迷うことなく「戒」となる道を選び、そしてそれは果たされた。
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