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ドアは開かなかった。取っ手はビクともしなくて、力を入れても物音ひとつしなかった。
多分、鍵が掛ってるんじゃない。ドアが開かないようにする魔力がかけてある。
あたし程度の魔力じゃ壊せないみたいだから、おそらく強い魔力の持ち主がかけたんだろう。
窓際へ戻って確認してみると、窓の鍵も同様で、ビクともしなかった。
おとなしくベッドに横になる。
呪紐が消えた左手薬指。
これは、天使との契約が切れたと思っていいんだろうか…?
重たい身体。
天使に抱かれた感触が、まだ残ってる…
月明かりで青白く照らされた左手を眺めながら、あたしはいつの間にか眠ってしまった。
END
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