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「席について!鞄を開いて机の上に置いて、静かに!」

4限目終了後、生徒会の人が教室に来て、そう言った。抜き打ちの持ち物チェックだ。

メイク道具に、ゲーム機。端の席の子から順に、持ち込みを禁止されているものが指摘されていく。

眼鏡の奥の厳しい瞳は容赦がない。女子に絶大な人気を誇る生徒会副会長の橘先輩だ。

机の横に掛けてある鞄を持ち上げ、ファスナーを開ける。

オシャレにもゲームにも興味はない。持ち込みを禁止されているものは何も、そこには入っていない

…はずだった。

震える手で机の上に鞄を置いたときには、もう橘先輩が目の前にいた。

先輩は、あたしの鞄の中を覗き込むと一瞬黙り、

「昼休みに生徒会室へ」

と言い残し、通りすぎていった。
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