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隙のない緑野の意外な弱点。あれから俺は緑野をどこか意識してしまっていた。

腕の中で震えていた姿は、思い出すほど可愛く思えて。もし付き合えたら、あれが自分のものにできるのかなどと、つい考えていた。

しかし、悲しいほどに、緑野はいつも通りだった。

「隙が…全くない…」

モニタに映った資料を眺めながら、ため息をついた。

たまたまあの日に緑野の弱点を知ってしまっただけで、普段の緑野には口説く隙など全くないのだ。

あいつ昔からそうなんだよな。周りの男がいくら好意を寄せていても、眼中にもないというか。

口説いたところで玉砕だろうな…。
最悪、二度と話しかけられなくなる恐れすらありそうだ。

溜め息をついて、ノートパソコンの電源を切るとそのまま閉じた。

もう今日は仕事なんて終わりだ。
帰ってこのまま呑もう。

そう思ってエントランスまで降りて絶望した。

「雨かよ…。傘持ってねーし…」

確かに朝の天気予報で今夜は雨だと言っていた気がする。

走って帰るか…、と思った瞬間、空が光って、雷が落ちた。


え…
あいつ、こういう日どうしてんの…
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