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夕方、帰り際に外回りから帰ってきた広瀬に、入り口でばったり会った。
「お、緑野。早いな。今終わり?」
「あ、うん」
「ちょっと待てよ、俺もすぐ終わるから。久しぶりに飲み行こ」
あたしの予定も聞かずそう言うと(まぁ、予定は空いているけど)、広瀬は数分で帰り支度を済ませ、戻って来た。
「寒いな。俺、鍋食いたい」
そう言うと広瀬はさっとスマホを取りだし、駅前のお店に電話をかけた。
「カウンターなら空いてるって。別にカウンターでもいいよな?」
「あ、うんっ」
そうか、今日は金曜か。
こういうのが要領がいいと言うのかもしれない。
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「で、最近どうなの」
頼んだモツ鍋を嬉しそうにつつきながら、広瀬が言った。
「あ、今月あんまり良くなくて…、今日課長に注意されたばっかり。来週から林田先輩つけてくれるって」
「えっ?林田先輩、もう今月クリアしてんの!?」
「そうみたい」
「まだ半月もあるのに神だな…。さすが次期課長候補」
「一緒にまわって学べって。広瀬みたいに要領良くできないかとも言われちゃった…」
目の前のビールを眺めながら、少し気持ちが暗くなる。
「つーか、俺も何度も林田先輩とまわったことあるけど、あの人はスゴすぎて、そう簡単にはあのスキルは習得できないよな」
「うん…、まぁ…」
「緑野と俺だって、全然性格違うんだから。気にしなくていいんじゃないの」
「え…?」
「真面目で誠実なのが緑野のいいとこだろ。俺を真似たって意味ないし、ちゃんと緑野に合ったやり方が見つかるよ」
「そう…かな」
「うん。あ、そう言えば、最近、例の彼氏とはどうなってんの」
「あ…、先月別れました」
「うわ…、お前仕事もプライベートも駄目じゃん」
「う"…」
そう落ち込むあたしを慰めるように、広瀬はグラスにビールを注いでくれた。
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