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名前変換「なぁ、浩平」
「んー…?」
「あそこにいんの、蜜柑ちゃんじゃね?」
昼休み、アイスを食いながら窓の外を見ている親友、拓人の指差す方向を言われるままに見ると、蜜柑と知らない男が中庭の草陰に立っていた。
誰だ あいつ…
つか、蜜柑、すげー楽しそうに笑ってる…
3階の廊下から見下ろしているせいもあり、距離があって声は聞こえない。訝しく思いながら中庭の2人を見つめた。
「あいつ、バスケ部のキャプテンだよ。俺らの1コ上で、確か…谷口とかいうヤツ…」
中庭の2人を見ながら拓人が言う。よく知ってんな。
「何の話してんだろーな。まぁ、蜜柑ちゃん、モテるからなぁ…」
そう言って、意味深に拓人が俺を見る。中庭はうちの学校では絶好の告白スポットで、ここで告白すると成功率が云々…(詳しくはよく知らねー)という、女子が好きそうな言い伝え(?)がある場所だ。
そんな場所に、彼女の蜜柑が俺以外の男と2人いて、しかも2人とも楽しそうに笑ってて。拓人が意味深に俺に視線を向ける理由もなんとなくわかる。
「なんだよ、拓人…」
「妬いてる?」
「誰が妬くか」
「妬いてるくせに」
「うるせー」
俺はそう言いながら、見透かしたように笑う拓人のケツを軽く蹴った。
「邪魔しに行かねーの?」
「行くわけないじゃん」
「行けばいーのに」
そう言って拓人はもう一度笑った。冗談はやめてほしい。これくらいで邪魔しに行くなんて、普通にダサいし。つか、それって蜜柑のことすげー好きみたいじゃん。
まぁ…
すげー好きだけど。
でも、そんなとこ見せんのは正直、格好悪い…
10分後、教室に戻ってきた蜜柑は俺と目が合うなり、いつも通り笑いかけてくれたけど、あの谷口とかいう男が蜜柑と何の話をしていたのかが気になって、午後の授業は浮わの空だった。
◇
放課後。いつもは蜜柑と帰るんだけど、今日はなんか蜜柑と顔合わせたら余計なこと言いそうで、カバンを持って教室を出ると、そのまま屋上に身を隠した。
寝転んで、ぼーっと空を眺める。俺は蜜柑と付き合ってるわけだし、堂々としてればいいんだと思うんだけどさ…
なんつーか…、うん。自信…ないんだよな。蜜柑、すげー可愛いし。
外見も可愛いんだけど、なんつーか、いい子で。皆に好かれるタイプ。他の男が放っておかないのもわかってる。
なのに、俺はというと、特別いい所なんてないし、至って普通の男子高校生で。なんで蜜柑は俺なんかと付き合ってんだろ、とか思ったり。
だからあれだよ。
すぐ、なんつーの…
嫉妬…とか、したりすんだよ。
つか、他の男に笑いかけんなとか思ってる自分がホントやだ。蜜柑のせいにしてどーすんだよ…
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