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名前変換あたしの彼氏、直人はめったにメガネを外さない。
…というより、まともに外したところを見たことがない。寝るときでさえメガネをかけてるくらいで。外してってお願いしても、それが叶った試しはない。
「ねぇ、直人…メガネはずして?」
「…やだ」
「ほんのちょっとでいいから!」
「だーめ。ってか、メガネ取ったってたいして変わんないよ」
「絶対変わるもん!ねぇ、取って!」
「無理。取ったらなんも見えないし」
冷たくそう言うと、直人は手元の本に視線を戻した。いつも、こんな感じ。
直人は自慢の彼氏。頭も良くて、ちょっとクールで大人びてて、何よりメガネがよく似合う。
本を読んだりするときに、ふいに手でメガネを上げ直す癖があたしはすごく好きで。
細い銀色のフレームのメガネは、品が良くてオシャレで、直人が好んでよく着てるしわひとつない白いYシャツと合わせたら、これ以上ない最高の組み合わせ。
直人を見てると、自分で言うのもなんだけど、あたしって結構メガネフェチだなぁなんて思う毎日。
…そうは思っても。やっぱり外したとこも見てみたいし。それは彼女の特権なんじゃないかと思う。
「ねー、直人!メガネはずしてよー」
「嫌だっつの」
「なんでそんなに嫌がるの!たまにははずしてよ!」
「今はずしたら本読めないし」
そう言って、黙々と本の中の活字を目で追う直人。
…いいけど、別に。
今日はちゃんと計画立ててきたし…!
◇
深夜2時。ついさっきまで直人とエッチして、そのあと直人が腕枕をしてくれて、そのままあたしがこっそり寝たふりをしていたのに気付かずに、直人は静かに寝息を立て始めた。
今日の作戦はコレ。寝ている時にメガネをこっそり外しちゃおうと思って。ズルイかな…?
でも、こうでもしないと直人がメガネを外したところは見れそうにないんだもん!
あたしは心の中でほんのちょっとだけ謝ると、意を決して直人のメガネに手を掛けた。そのままそーっと外す。
「ん…」
ヤバ…っ、起き…る!?
とっさにメガネを背中に隠す。
「スー…」
すぐに再び規則正しい寝息をたてる直人。良かった…まだ寝てる。
あたしはベッドから手をそーっと伸ばし、隣にある机の引き出しにメガネを隠すと、再び静かに直人の隣に戻って顔を覗き込んだ。
うわぁ…、メガネしてない直人だ。
なんか、いつもより幼い感じ…?
寝てるからかな?
てか、なんであんなに外すの嫌がったんだろ…?別に普通に格好いいんだけど。むしろメガネのときとはまた違ったかっこよさっていうか、惚れ直しそう。
そのときだった。
「文字子…」
「…っ…!」
ドキ…!
「直人…っ!ごごごごめん勝手にメガネっ…」
「スー…」
急に名前を呼ばれてあたしは慌てて謝ったものの、直人は目を覚ますわけでもなく、寝息を立てている。
「あ…れ…?」
……寝言?
え…!?
今、あたしの名前、呼んだ…よね!?
あたしの夢見てるってこと!?
う、うわぁ…
なんかすごく…嬉しいんだけど!
ってか、なんの夢見てるんだろ…
「文字子…、脚…もっと開いて」
は!?あ、脚…!?
なんの夢見てるの、直人…
「すっげ…エロいね、文字子は…」
え、エロいって!?
もしかして…、エ、エッチしてる夢!?
バ、バカ…!!
とっさに、あたしは直人の頬を思いっきりつねってしまっていた。
「痛"…っ!な…っ、何、文字子…」
「なっ、なんの夢見てんの…!」
「何の夢って…、あ…れ…?俺…メガネ…」
げ…っ
そうだった…!
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