これから出逢う全てのものを君に重ねていく
これで、このプロジェクトはすべて終わりです。お疲れ様でした。盛大な拍手でプロジェクトは締めくくられ、私はほっと胸をなでおろした。何とか終わった。途中いろいろハプニングもあったけど、無事に終われて本当によかった。
洋一君、今何やってるかな。今日はどこまで行ってるんだっけな?とりあえず家にはいないだろうけど、預かってる合いかぎ使ってもいいかな?今日は定時きっちりに上がって、ちょっと買い物して、それで洋一君の家によって明日には返ってくるって話だったし、なにか冷蔵庫に作り置きおいていっておこうかな。先生に教えてもらったから最近結構上達してきたと思うし。
ショッピングセンターに行って大きめのスーパーを目指していると途中でふと腕時計を売ってるお店が目についた。そういえば洋一君ずっとつけてるんだけど、あれでいいのかな。ちゃんとあれが自分がずっと前にあげたプレゼントだとはわかってる。けど嫉妬してしまいそうなほど大事にされているのだから複雑だ。新しいの何かかっこいいのプレゼントかな。今なら少しくらい背伸びできるし。そう思って少しガラス越しに覗いてみたけどやっぱりやめた。だって、洋一君今はそれで満足してるように見えたし。
次は帽子屋さんで足が止まり少しだけ中に入った。キャップ、似合うんだよなぁ。無邪気な感じがまたかわいいっていうか、ほんと先生のいうようにベタボレなんだけど。なんて言ってる場合じゃなくて早く材料買わないと。
オムライス、カレー、何がいいだろう。洋一君何が食べたいかな。作り置きならカレーかな?カレーならカレーとしても、カレーうどんにも、カレードリアにもできるって先生言ってたしな。アレンジきくやつのほうがいいかな。
食材の選び方もマスターできたし、買い忘れもなし!よし!いざ、勝負!!包丁を取り出してまず根野菜から切っていく。硬いものから順に、そういわれてたからね。野菜の大きさは人の好みだからあんまり気にしなくていいんだっけ。ほかの玉ねぎなどの野菜も切って、小棚のなかから先生と一緒に買いに行った圧力なべを取り出す。バターを引いて、根野菜から順番に入れてふたをする。少ししたら調味料や水を入れてコツコツと煮込む。お肉は別でさっとゆでてあくを取り除いておいてから鍋に入れる。よし、できた。一口味見しようと思って小皿にお玉で少しすくったルーを入れて一口口に入れると自分で絶賛できる味になった。あ、圧力鍋さますごい!!野菜もつまようじでつついてから食べてみたけどしんなりしてるけど、ちゃんと形もある。うん、今回はうまくいった
「お。うまそうだな」
「うん!今回は結構自信あるんだよ」
「楽しみだな」
「そうだ・・・ね?・・・え?」
壊れたロボットのように恐る恐る振り返るといないはずの人がいた。ぎゃー!と悲鳴を上げるとおい馬鹿!誤解される!と洋一君は慌てだした。でもそのぐらいびっくりしたんだよ。
「いつから帰ってきてたの・・・?」
「とりあえず味見してガッツポーズしてたのは見た」
「こ、声かけてくれたらよかったのに」
「なんか邪魔すんのもったいねぇ気がしたし、それに・・・」
家で料理して待っててくれるっていうのがぐっとくる。なんて真顔で言われたらもう恥ずかしくなってそのばにへなへなと座り込んだ。どんな殺し文句ですかそれは。もう、洋一君の馬鹿。かっこよすぎるのも対外にしてほしい。このままじゃ私キュン死にしちゃう。
「飯、作ってくれてありがとな」
「・・・うん。」
「一緒に食おうぜ。明日仕事休みだろ?泊まってけ」
「なんで私の予定知ってるの・・・?」
「・・・お前のことなら何でもわかんだよ」
きゅん。あ。やばい。ほんとにやばい。こんなにキュンキュンしてたら死んじゃう。ああ、もう、ほんとにかっこよすぎるよ、洋一君。
「あのね、私きっと一生洋一君に飽きないよ」
「は?」
「だって、仕事終わったら洋一君今何してるかなぁ。って毎日考えるし」
「お、おう」
「今日も買い物してる時に時計屋さんとか帽子屋さん見て洋一君のことばっかり考えてた」
何を見ても、何を食べても、いつも洋一君のこと考えちゃうから。だから絶対飽きなんて来ないよ。毎日好きになっていっちゃう。毎日惚れ直してます。そうまっすぐ気持ちを伝えると今度は洋一君が座り込んでたまに出てくるお前の男前なところほんとに心臓に悪い。と言われた

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