僕は幸せになったのさ
学際が終わっても、俺はあの歌のことを忘れられなかった。あの歌は、あの時のことを歌ってるのかと思った。一緒に行った花火大会。俺がアドレスを変えて、お前のメールを拒絶したとき。そしてそのあと、お前が思っていた気持ち。それがあの曲なんだって思った。それが意図して作られた曲と言われたとき少しのショックと・・・・。
「遊園地に行こう!」
「またいきなりなんなんだよお前は」
「社会人になんかなったら遊ぶ余裕なんてないのよ!だったらこの大学生という人生の夏休みに遊ばなくちゃ!」
「お前は社会人になっても遊びに来すぎだろ!説得力なさすぎだっつの」
行くひとー!と小絵が聞くと沢村と御幸と杞紗が手を上げる。ここにいる俺以外の全員だ。お前ら、最近なんなんだよほんとに。大きくため息をつくと小絵は俺の額を指でつつく。しわ。おじいちゃんになったらあと残っちゃうよ。そういって笑う小絵の手を振り払い、わかったよ。というと小絵は嬉しそうに笑いじゃぁ、今週の土曜日ね。といって鞄からスケジュール帳を取り出しさっそく予定を書き込んでいた。このスケジュール帳かわいいね。ありがとう杞紗ちゃん。saeさん携帯には趣味の悪いストラップついてるのにほかのものは全部かわいいものばっかりっすね。沢村がそういうと小絵ははにかんであれはお守りだからね。という。
「ねぇ、遊園地には何を持って行けばいいのかな?お弁当?飲み物も必要だよね。お金はいくらくらいかな」
「行ったことないの?saeちゃん」
「ずっと昔のことだから覚えてなくて。とりあえずね向こうの被り物とかそんなのは買いたいし、風船とか、ほかにもいろいろ。全部の乗り物乗れるかな」
「はは。saeちゃんって子供みたい」
「あ、それなんか歌にできそう。」
目の前で歌作っちゃうの?!と杞紗が興奮すると小絵はそうだなぁ。といって少し悩みゆっくりと言葉を紡いでいく。途中で歌を止めて今全部はできないや。と困った顔をした。すごーい、やだもうかっこいいよやっぱり。盛り上がる沢村と杞紗に小絵は困ったように笑い、そして時計を見てもう帰らないと、といって慌てて荷物をまとめ帰っていく。練習ちゃんと頑張ってねー!と叫んで。
「あのさ、倉持ってsaeちゃんと付き合ってるの・・・?」
「は?なんで俺が」
「だってすごく仲良しっぽいし・・・・」
「ちげぇよ。あいつは俺にとってただの・・・・昔の同級生だ」
そっか。といってやっとく納得してくれたことに俺は安心し、一息をつく。そう。俺にとっては中学までの同級生。元カノっていうのはいうべきかどうか微妙だから言えねぇけど(誤解生みたくねぇし)言った言葉に嘘はない。
「じゃぁさ、私のことは、どう思ってる・・・・?」
「・・・・はぁ?!いいいいいいいきなり何言ってんだよ?!」
突然のことに焦って思わずどもる。ダサいとかそんなもん気にしてる余裕もない。ここで逃げることは嫌で、けど気恥ずかしさからそっぽを向き好きだ。というと杞紗は嬉しそうに笑いわたしも。という。あ。俺、こいつの顔好きだ。すげぇなんかドキドキしてきた。あと少しでいきなりキスまですっ飛ばしそうだったところを忘れていた存在の御幸と沢村に咳払いをされてやっと現実に戻る。慌てて何かを言おうとすると二人そろって何も言わないから続きどうぞ?なんてにやにやした顔で言ってくるので一発ずつ蹴り飛ばした。


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