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今日は泊まっていって。という先生のお言葉に甘えておうちにお泊りさせてもらった。彼氏さんは帰ってこないんですか?と聞くと遠征だからね。といって先生は寂しそうに笑う。さみしいんですか?と聞くと先生は驚いた顔をしてそして切なげに目を細めてさみしい。とつぶやいた。あ・・・ほんとにさみしいんだ。そういえば洋一くんも遠征行くからいないんだよね。電話とかメールとかくれるからあんまり寂しくなかったけど。電話とかメールはしないんですか?うーん、余裕のあるときはくるけどね、でもほとんどないよ。あの人、捕手で守備の要だから。勝つためにいっぱい考えてスコアブックとかビデオ見ていろいろ研究してるから。今回の相手は強いんだって。だから仕方ないんだけど寂しくて仕方ないの。もう、死んじゃいそうなくらい。これひみつね。恥ずかしいから。ほんとに照れくさそうに笑ういつも先生ってお母さんみたいって思ってたけど御幸さんのことになるとほんとに女の子だなって思う。こんなにも可愛らしく笑って。好きなんだな。
「昔ね、栄純くんに倉持と付き合えばいいのに。って言われたの。」
「沢村君が・・・?」
御幸の一番は野球。それは変わらない。だからいつかきっと泣いてしまうから、倉持の方が絶対に大切にするよってね。まぁ、事実そうだと思うよ。御幸に愛されてるっていうのはよく思うけど、でもね一番には絶対なれないよ。それにならなくていい。さみしいけど、野球をやってる御幸ってさ、すごくかっこいいんだ。あんな子供らしさのない人が野球になると無邪気に笑って、可愛くて仕方ないの。御幸さんを語る先生の方が可愛らしい、なんて言ったら怒られるかな。ほんとに好きなんだろうなって聞いてるだけでよくわかる。御幸さんが羨ましいくらい。
朝起きるといい匂いがしてくる。でもおふとんあったかい・・・。もぞもぞとしてると扉の開く音がしてゆゆちゃん起きて。ご飯だよ。と声をかけられる。ゆっくりと起き上がって手を引かれて部屋を出るとリビングには美味しそうなご飯が机の上に並んでいた。やっぱり御幸さんが羨ましい。毎日おの生活とか。
「やっぱり御幸さんじゃなくて私のところに来て欲しいです」
「へ?」
思わずそんな言葉が口からこぼれた
それじゃ、またねゆゆちゃん。家の前まで車で送ってもらいお礼を言って家の中に入る。なんと先生は免許を持ってました。ちょっと意外だった。運転とかしてるイメージなかった。

私もね、その考えのせいで一度間違いを犯した。だからゆゆちゃんには同じ思いをして欲しくないの。もう一度よく考えて欲しい。

先生に言われた言葉を思い出す。それと同時に思い出すのは数日前、ほかの人に言われた言葉だった。

「そんな重たい思い気味悪がられるよ。嫌われたくないんでしょ?だったら・・・」

嫌われたくない。また離れちゃうのは嫌だ。だけど、あんな真剣な顔をして言っていた先生の言葉を聞かなかったことになんてできない。それに何より、この恋を捨てたくないよ。ねぇ、洋一くん。こんな私を嫌いにならないでっ


わからないよ。何が正しいのか


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