13

朝からいい匂いがしてきてゆっくりと体を起こす。寝ぼけたままリビングに出るとキッチンには女の人がいた。その人は私に気がつくと火を止めてキッチンから出て来る。
「おはようゆゆちゃん。もう起きたんだね」
「もうお嫁に来てください!」
「へ?」
朝からこんな美味しそうなごはんが食べられる人はなんて恵まれているのだろう。羨ましい。思わずそんな気持ちからそう言ってしまうと先生はふふ。と笑いゆゆちゃんさえよければ。と言ってくれた。え、あ。なぁに。自分からいったのに。えっと、その。もしかして、ウソだったの?う、嘘じゃないです!ぜ、絶対幸せにしますから!だから私のところにっ。そこまで言って頭を軽くチョップされた。あう。と変な声を出して振り返ると呆れた顔をした洋一くんがいる。お前、なにやってんだ。よ、洋一くん?!おいもなも。変なことさせんな。わー、ごめんね洋一くん。しばくぞ。ふふ、ごめんね。とりあえずご飯できたからよそってもらえる?私御幸起こしとくから。ゆゆちゃんも手伝ってもらってもいい?は、はい!ありがとう。お願いね。そういって先生はソファーで眠っている御幸さんをおこしにかかる。ほら、起きなよ御幸。ん。みーゆーきー。起きて。んー。もう、早く起きてってば。もー。と先生が困っていると突然御幸さんの手が先生の後頭部をおし、ふたりの頭が重なる。たぶん、今、キスしてる・・・。驚いて硬直してしまうと洋一くんが私の手を引いてふたりの見えないキッチンの中がわに連れてきてくれた。あいつ、人んちで何してんだ。あ、あ、あのふたりってそんなにラブラブなんだね。昨日も。あー、ちょっと落ち着けゆゆ。今あいつぶっ飛ばされるから。へ。なんのことだろうと思っていたらパチンと大きな音が響いた。


「これはさすがにねぇと思うんだけど」
「私は人前であんなことする方がないと思う。」
向かい合った二人は険悪とはいかないけど御幸さんは先生を恨みがましそうな目でみて、反対に先生はしれっとしてる。ら、ラブラブだったはずなんだけどな・・・。あの、先生。あ、そうそう。その先生なんだけどさ。もなでいいよ。同い年だし。えっと、えっと、それじゃ、もなさん。ん。まぁ今はそれでいいや。それで、どうしたの?あの、なんで私ここにいるんでしょうか?昨日の途中から記憶がなくて・・・。ゆゆちゃん途中で寝ちゃってね。仕方ないから倉持んとこでみんなでお泊りするかってなったんだ。浴衣とお化粧は寝るときに私が勝手にとっちゃった。ごめんね?い、いえ!ありがとうございます。やっと状況がわかった。そうだよね。どう考えてもここうちじゃないよ。寝起きでボートしすぎて何も考えてなかったけどまず朝からもなさんが同じ家にいること自体おかしいんだから。
なー、倉持。なんで俺朝から空気みたいな扱いなの?ひどくね?俺彼氏だよ。お前が朝から馬鹿なことしてっからだろ。お前の存在がゆゆに悪影響なんだよ。そんなことねーよ。なー、ゆゆちゃん。俺ら超仲良しだよな。へ?!ちょっとゆゆちゃんいじめないでよ。ひと晩ふたりっきりになったんだし熱い友情でも育めたんじゃないの?そっちは。は?ありえねぇ。ふたり揃って言うもんだから思わず私ももなさんも笑ってしまった


息ぴったりだとかうそでしょ

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