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ゆゆの些細な感情変化にも気づくくらいには俺はゆゆを知っていた。だからこの顔が何を意味してるかだって知ってる。何かを深く考えて一人勝手に悲しくなってんだよ。だから昔みたいにポンポンって頭を撫でてやった。そしたら煽るような目で見るからつい抱きしめてしまう。やっちまった。そう焦ってたのに俺の背中には手が回ってきてギュッと抱きしめられる。すりすりとする寄られて一人どきまぎする。お、お前・・・狙ってんのか?いやこいつに限ってそれはない。絶対わざとこんなことはしない。無防備すぎんだよ!くそっ、心臓ちょっと静まれよ!だっせぇ。し、しかもささやかなものがなんか当たってる気がする。あ、やべ。俺結構いまきてる。俺だって男なんだよ。好きな女相手なら思春期のガキよりも反応しやすいんだよ。
「お、おい・・・ゆゆ・・・?」
なんの反応もなくなって声をかけてみるとすやすやと気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。うわ。寝てんのかよ。つかこの状況どうするんだよ。ぎゅっと眠りながらも抱きしめられることが少し嬉しくて俺もぎゅっと握り返す。そっと頭の上に口を寄せ優しくキスを落とした。どうか、今見てるコイツの夢が幸せなものでありますように
「おーい。いちゃついてるとこ悪いんだけどさ」
突然の声に驚いて肩を跳ね上げるといつの間にか御幸と気まずそうな顔をするもながいる。思わず声を上げそうになると一瞬でもなが俺の口を塞ぎ寝てるから。ゆゆちゃん寝てるから。といわれ押し黙った。くそ、どこから見てやがった。ゆゆちゃん起こすの可哀想だし、明日仕事休みって言ったたし・・・・今日は家とめてあげよっか。倉持の家に一人だとさすがに緊張するだろうし私も行くよ。御幸は明日仕事なかったっけ?ああ。午後からミーティングあっけど。倉持も?こいつにあんだからおれにもあんだよ。もう、すねないでよ。私だって見たくてみたわけじゃないよ。ただ・・・・いつ出たらいいのかわからなかったから。おま、どこから見てたんだよほんとに?!
あ、浴衣着崩れないようにちゃんとお姫様抱っこで連れて帰ってね。まて。電車も乗るのにできるわけねーだろ。おんぶなんかしたら着崩れて友夢ちゃんの生足見えちゃうかも。これがコイツの作戦とわかっているが万が一のことを考えると反対はできなかった。その代わりタクシーを拾う。っていうのがせめてモノ反抗だった。
「お前、案外いい性格してるよな。」
「ふふ。だってこんなかわいい寝顔拝めるんだもん」
そういってゆゆの寝顔をパシャリと写真を撮る。俺の携帯のバイブが震え携帯を取り出すとそこにはゆゆの寝顔が画面いっぱいに広がっていた。ねーねー、私いっぱいこういうの持ってるんだけど今度写真集あげようか?にやにやとわらうもなの頭を思いっきりチョップを落とした。
「じゃぁ、わたしとゆゆちゃんと倉持の3人が寝室で御幸ソファーね。」
「おう。じゃ、御幸明かり消して寝ろよ」
「ちょっとまてお前ら!おかしいだろ?!」
え?と俺ともなの二人で首をかしげると御幸はなんでもながそっちなんだよ!と怒る。普通は男女一緒に突っ込めよ。コイツも大概おかしい。でもね、ゆゆちゃんが起きた時にびっくりしちゃうじゃん?倉持とふたりだったら。じゃぁ、俺がいく。いや、御幸なんかいたらもっとびっくりだよ。一人で寝かせたらさみしいし。よし、仕方ないから男女別で分けよう。もうゆゆちゃんは寝室に寝かしてるし。うん。てことでおやすみー。そういって爽快に去っていくもなの背中を只見つめることしかできなかった。


ちょっと帰るのには早くないか?

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