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シーズンが始まる前にお祭り行こ!4人で!突然もなからそんなメールが来た。4人っていうのは俺とあいつとゆゆとたぶん御幸のことだろう。なんつうメンバーだ。きっとこの前御幸には話してる。といったのがまずかったんだろう。今更後悔しても遅い。御幸にゆゆ見せるっていうのが嫌なんだけど・・・・。俺が行かなくても結局3人で行くことにはなるんだろう。諦めてわかった。と返しておいた
「なんでお前だけいるんだよ」
「え?あー。まぁ、お楽しみってことで」
待ち合わせ場所に来るとまだ御幸しかいない。もなはともかくゆゆが待ち合わせ10分前にいないっていうのが変だ。何かあったか。急いで携帯を取り出して連絡をしようとすると御幸にまぁまぁ。といって止められる。お前過保護すぎんだろ。いくらど天然でもさすがにここまで来れるって。あいつは近所の駄菓子屋に行くまででも迷子になれんだよ!えっ、さすがにフォローできねぇわ。だったら邪魔すんな。いや、だからもう少し待てよ。まだ集合5分前だし、つか倉持くんの早くね?いつもより。う、うっるせぇ!ゆゆが心配で早く来ちまったなんて死んでも言えねぇ。
おまたせー。といって優雅にやってきたもなに文句を言うおうと振り返ると俺は言葉を失ってしまう。おま・・・ゆゆか?俺がそう呼べば顔を真っ赤にしてこくこくと頷く。おま、それどうしたんだよ。いつもみたいにふんわりと下ろされていた肩くらいまでの長さの髪は今は可愛らしくまとめられている。夏らしくすっきりしてるし、綺麗だ。ゆゆが少し大人っぽく見える。あの頃とは違ってうっすら化粧もされていて言葉を失ってしまう。御幸にげしっと尻を蹴られ。なんだよ!と文句を言うと無言で首を前に振られる。もう一度前を向けばゆゆの隣ですごいドヤ顔をしたもながいた。や、やべっ。
「そ、その・・・」
「う、うん・・・」
「えっと・・・・すんげぇ・・・似合ってる」
俺がそう言うとゆゆは顔を真っ赤にしてありがとうと嬉しそうに笑った。ああ、ほんとかわいいやつ。もなも満足したのか会話に入ってきてゆゆちゃん可愛でしょ?いいでしょー?と自慢のようなことをしだす。そういや、それ誰がやったんだよ。わたし。は?!お前が?!うん。わたしこれでも職人だから手先器用なんだよ。普段面倒で何もしないけど案外できるのよ。やれば。やればね。こいつ俺のために洒落たりなんかそうそうしないけどな。あれだよ。素顔を見せれるくらいの間柄ってやつだよ。なんて自分でフォローを入れてゆゆに御幸のことを紹介する。前話してた私の彼氏の御幸くんです。こちらは私の教室の生徒で倉持の幼馴染のゆゆちゃん。ゆゆちゃんあのね、すごく申し訳ないんだけどね。うちのわがまま彼氏がどうしても二人でデートしたいってうるさいの。だから少しの間二人でブラブラしてもいいかな?御幸まですっかり便乗し頼むよゆゆちゃん。忙しくてほんと久々に一緒に出かけれるんだ。なんて言うとゆゆが断れるはずもなく見送ることになった。
「先生って彼氏さんとあんなにラブラブだったんだね」
「あー。まぁ・・・そうだな。」
いつもはあんなノリノリで二人で行こうとしねーけどな。みんなで、とかのときに。じゃ、行くか。俺たちも。う、ん。二人ともぎこちなく歩き出そうとすると少し離れた場所からここはぐれやすいから手つないで歩いとけよ!なんて御幸の声が聞こえて思わず黙れ!と叫んでしまった。くそ。あいつら揃いに揃って。もなのまで悪意に見えてくる。みゆきが関わると。でもおかげで繋ぎやすい状況にはなった。ん。といって手を出すとゆゆは驚いた顔で俺を見る。そして恐る恐る握られた手をギュッと強く握ると嬉しそうに笑った。ああ、もう。なんでこいつこんなに可愛いんだよ。


辛いほど愛おしい

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