い
09
目の前で楽しそうな顔をするもなと。赤面しているゆゆ。その前で頭を抱える俺。なんておかしな光景だ。事の始まりは昨日の夜。沢村ともな、俺の3人で飯に行くことになった。もながたまに変なことを言い出すから酒を飲んで話を流そうとしてぐいぐいと煽った結果。途中から記憶がない。起きたらなぜか俺は友夢の上にいて、抱きついていた。驚いている俺を楽しげに盗撮しているもなに問い詰めているとゆゆが騒がしくて目を覚まし、ソファーに座りながら話すことになった。いや、俺は地べただけどな。反省。というもなの命令で。もなが撮ったムービーを見れば恥ずかしさとやってしまった感が否めない。そんな俺の気持ちを知っているくせにわざとらしく昨日はお熱い夜だったねぇ。なんて俺とゆゆに言う。ほんと御幸に似てきやがったな。
「いやさ、ホントに悪いことをしたなぁ。って思ってるよ?私がゆゆちゃんに助けを求めたわけだし?」
でもあんなことになるとは思ってなかったんだよ。とニヤニヤされながら言われると腹が立つ。つか、俺酔ったらこんなことなってんのかよ。ムービの中にいる自分が信じられなかった。まるで自分なのに自分じゃない。そんな感じだ。悪い。と俺がゆゆに謝るとゆゆもだ、大丈夫。といって顔を赤くさせながら首を横に振ってくれる。そこまで見るとやっともなはいじるのをやめてご飯にしよっか。といってすでに用意していたであろうご飯を机の上に並べ、沢村を起こして4人揃って朝飯にありつく。いただきます。飯を食い始めればいつもどおり。わいわい騒ぎながら昨晩のことがなかったようになる。だけどたまにゆゆとどこかが触れ合うとお互いにぴしっと固まり、赤面した。それを見たもながぽつりとオトメン。なんてこぼした
野球の練習中、御幸がおい。と俺をよぶ。どうせ昨日のことだろ。あいつのこと返さなかったから怒ってんだろ。でもまじで今回は不本意なんだよ。
「お前、もなにいって俺に隠してることあんだろ」
「は?」
「あいつがやたらお前のこと気にしてんだよ」
どうやらあいつは御幸にゆゆの事を言っていないらしい。てっきり話してると思ってた。そういやもなってそういうちゃちゃ嫌ってたっけ。冗談や噂までならいいけど本気の時は横槍とかするの嫌なタイプだったな。だけどそれでお前が御幸と喧嘩してたら元も子もないだろ。まぁ、言いたくねぇけど。こいつには。だけどそれで迷惑かけるわけにはいかねぇしな。
「俺の好きな女があいつの教室に教え子なんだよ」
「は?なに?おまえ好きな奴とかいたの?」
「いたんだよ。で、あいつがその女と俺の間取り持ってくれてるだけだ」
だから変な勘違いするな。と言いたかっただけなのにすでにこの目の前にいるやつはニヤニヤと笑っていた。ああ、だから言いたくなかったんだよ。まぁ、なるほどな。って感じだな。それならもなが隠し事してるのもわかる。あいつ、お前のこと特別扱いだからな。お前だって十分そうだろ。俺とは別の特別扱いされてんだよ。沢村とかもだけど、なんかお前のは恋人通り越してる感じのやつ。はぁ?その好きな奴がもなとの共通の知り合いならそういうの気をつけろよ。誤解されないように。もなが仲良くなるってことは強気タイプの女じゃねぇだろ?だったらそういうの一つ一つ不安になると思うぜ。そういうもんか?そういうもんだよ。実際、もなだってたまに不安そうにしてるし。お前もたまにはちゃんとしたこと言えんだな。ああ、これ嘘じゃねーけど俺からしたらお前らの距離近すぎるから引き離したいんだよ。前言撤回だ。お前がいつまでも自己中なやつだ。
自己中心的な僕ですが、よく見てるんです
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