06

先生って洋一くんのこと怖くないんですか?倉持にあった次のとき初めに聞かれた質問がそれだった。予想外の質問だったので一瞬言葉に詰まった。倉持が怖い。怖い・・・。えっと、思ったことないかな。たぶん。一応ちゃんと友人の友人っていう紹介されてたし。高校の時一度あってるし、スポーツ一つを取り組む人に怖い人はいないって思ってるから。私の返事を聞くとゆゆちゃんはそうなんですか。となっとくしてくれたのか少し安心したように微笑む。洋一くん、昔から正義感が強くて。いろいろやりすぎちゃうし、顔がちょっと迫力あるから。え?へ?いや、うん。たしかに迫力のある顔かもしれないけど・・・。ゆゆちゃんからまさかそんなこと言われるとは・・。変に感心すると私も子供の頃怖いなって思ったことあるから。なんて言われて返す言葉がわからなかった。なんというか、ほんと倉持どんまい。でも、すごく優しいこと知ってたからずっと付きまとってたんですけどね。うざいとか邪魔とか言いながらも追い払ったりしないんです。洋一くん。そりゃ好きな子なんだからね。追い払うわけないよ。その後いろいろ聞かされる話を聞いているとどれほど倉持がヘタレなのかよくわかってちょっと悲しくなった。
「ゆゆちゃんって倉持のこと大好きだね」
「へ?」
「いやもうどれだけ倉持のこと話してても話しきれないって感じじゃない?」
私がそう言うと顔を真っ赤にして俯いてしまう。何この生き物超絶かわいいんですが。こちらも違う意味で俯いてしまう。悶えじぬ!!倉持ほんとに羨ましい!!いや、けしてレズじゃないよ?けどさ、可愛いものは仕方ないよ。可愛いものは正義だもんね!でもとりあえずひとつだけはっきり言っておかなければならないことがある
ゆゆちゃん。はい。わたしと倉持はさ、絶対に男女の関係にはなれないよ。え?どうしてですか?なんていうか、えっと・・・ゆゆちゃん兄弟とかいる?いないです。じゃぁ、従兄弟!います。で、従兄弟のことを異性をして意識したりする?わたしは、特にないですね。そういうの。でしょ?倉持と私もそんなの。血のつながりなんて一切ないけどさ、なんかそういう意識全くないわけ。たぶんうっかり裸見られても間違った方向に行くことはないんだよね。見られたことあるんですか?!仮定の話!!
ちょっと大きな声になってしまったのでわざとらしく咳払いをして大人しくする。わたしはゆゆちゃんの気持ちがうまくいけばいいなって思うよ。え、えぇ?!なんで知ってるんですか?!いや、わかりやすいから?え、そ、そんな・・・。どうしよう。洋一くんにもばればれなんじゃ・・・。あー、だいじょうぶ。あいつバカだから。馬鹿なんだよ。洋一くんちょっと頭は良くないけど鋭いですよ?いや、でも鋭さより馬鹿が勝っちゃってるんだよ。もう大馬鹿なんだよ。馬鹿すぎて目も当てられないんだよ。そ、そんな。洋一くんそこまでじゃないですよ!おうおう。やっぱりゆゆちゃんは洋一くんを庇うんだね。わざと洋一くんと呼ぶとゆゆちゃんはまた赤面する。可愛いのう
「先生、意地悪です」
ちょっと目を潤まされて言われると罪悪感よりも可愛さで悶えてしまう。もう、なんなんだこの子!!
「ごめんごめん。でもさ、ゆゆちゃんはまだ倉持のこと好きなんだよね?」
「そ、それはその・・・そうですけど・・・」
「だったら私は応援するよ。ふたりがうまくいくように」
だからさ。倉持のこと幸せにしてあげてよ。洋一くん、を?私あいつにすごいお世話になってるんだ。彼氏とのこと。それ以外でも。だから、幸せになって欲しいんだ。倉持にも、ゆゆちゃんにも。ちゃんと本音をいうとゆゆちゃんはふんわり笑ってはい。とはっきりと返事を返した



幸せになって

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