「友達、できたの?」
どうせ隣にいるくらいなら少しくらい会話をしよう。そう思ってとりあず思いついたことを聞いてみた。そしたらまぁな。と短い返事が来る。こんな早くに途切れるとは思ってもみなかった。さて次の話題を出すかどうするかで迷っているとお前は彼氏できたのか。って聞かれて思いっきり御幸の座るブランコを蹴った。つい数日前別れたばかりですが何か。ちょっと低めの声でそういえば流石にこの男も禁句だったと気づき、困ったように笑う。でも謝り方はまたふざけていた。ああ、殴りたい
「昔さ、俺お前のこと泣かしたことあるじゃん」
「いっぱいありすぎてわかんないんだけど。小学生の頃野球ボールを本気でぶつけてきたとき?虫の入ったかごを誕生日プレゼントとか言って渡してきたとき?」
他にもずらずらと泣かされたときのことを上げると御幸は中学2年の時。とはっきりいう。その年だって何回も泣かされたけれど、一番覚えているのはやっぱりあの時のことだ。
「お前いきなり俺の前に来て怒鳴って、怒って。俺からしたら意味不明で、泣き出したときはほんと理解できなかったんだよな」
そうだろうね。きっとあなたからすればそんなものだってわかってたよ。期待なんて、もうしてない。だけどそれを受け止めれるほど強くもなれなかった
「そんなこと、あったっけ。悪いけど記憶にないわ」
すっとぼけてしまえばこの話は終わる。そう思って嘘をついたけど御幸は俺は覚えてる。って言ってまだ話を続けようとする。なんで今更そんなな話をしなきゃいけないんだ。
興味ない。と冷たく返しても俺はあるの。と返される。ああ、ほんと面倒なやつなんだよ。コイツ。諦めた私がどうぞお話ください。と面倒そうに言うとはっはっは。と笑ってじゃぁ、お言葉に甘えてと言って続きを話しだした。
「あの日さ、お前のこと追いかけたらここについてさ。わんわん大きな声でないてるお前を見て、声がかけれなかった。知らない女みたいで、急に怖くなった」
「なにそれ。そんなぶっさいくな顔してたって言いたいの?」
「ちげぇよ。女の顔してたんだ。お前が」
「はぁ?」
なにいってんのこの人?私こそ意味がわからないんだけど。何が言いたいの?と聞けばもう少し話を脱線させると子供の頃もよく来たよな。と言われたのでとりあえず頷いた。
んでさ、約束したじゃん。薬指からませて。そこまで言われてまさかと思って御幸の顔を見る。そしたら真剣な顔をした御幸がいた
「約束忘れてごめん。いつの間にかお前がいるの当たり前だと思ってた。そうじゃないってわかったのは、お前が俺を避けるようになってからだった」
「別に、今更いいよ。あんな子供の約束、いつまでも信じてないし」
なるほど。御幸はあの約束のケリをつけたかったんだ。だからここに来たんだろう。私がいつ実家に戻るっていうのはうちの親とかに連絡取ればわかることだしね。
「話はそれだけしょ?私帰るね」
そう言ってブランコから立ち上がると腕を掴まれる。なに?と返せばその手をそっと掴んだまま御幸は自分の左手の小指に私の小指を絡める。御幸の行動が理解できず困惑する私をギュッと反対の手で抱きしめ、彼は耳元で小さく囁いた。
「その約束さ、今も有効にできねぇ?」
次の瞬間涙がポロリとこぼれ落ちた

薬指の約束

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