体重計に乗って発狂する。うそだ。うそだ。なんだこの数字。嘘だ。信じられない、というか信じたくない。確かに太ってきた自覚はあった。けど、けどこれはやばすぎる。最近鏡を見ることすら避けてきたから(見てもチラ見程度)気づかなかった。これただのデブジャン。かおまるっ。腕ふとっ。足豚足!!!男は少しはぽっちゃりしてたほうがいいと思ってるっていうけどさ、それってかわいい子限定だしなにより男のぽっちゃりはぽっちゃりじゃない。
「おーい、なまえ。これ食うか?」
「たべません」
はっきりと拒絶の意思を示すと御幸は驚いた顔をして私に近づき、おでこを触ってくる。案に熱があるかないかを確かめているのだ。その手を払いのけて熱はないから。というとじゃぁ腹でも下した?なんてデリカシーのないことを言うから頭に来て一発殴った。例えそうだったとして言えるか馬鹿!
「あのね、ニキビが増えてきたから無駄なカロリー摂取は控えることにしたの」
「ああ、太ったのか」
「裏を読むな!!」
「最近こことか気持ちよくなってるもんな」
ぷにぷにと人の二の腕をつまみ楽しそうな顔をする御幸に腹パンをくらわせてやる。こいつほんとになんてデリカシーないんだ!!普通する?そうゆうこと。セクハラだセクハラ。ではここで問題です。セクハラは何の略称でしょう?10秒以内に応えれなかったら罰ゲーム。は?はい、じゅー。えぇ?!ちょ、ちょっと待ってよ。えっとえっと・・・。セクハン・・じゃなくて。きゅー。待ってってば!!えっとえっとセクハラスじゃなくて、あーもうなんだっけ?!
「わかった!セクシュアルハラント」
「はい、正解はセクシャルハラスメントでした」
「近くない?」
「いや、なんでわかんないのかがびっくりだわ。」
てことで。といって御幸は私の腰を引き寄せて後ろから腰に巻き付き、抱き着いてくる。背中に顔を押し付けられて腰に回った腕はギュッと締め付けられる。ちょ、ちょっと!と怒っても一向に離れない。なにこれ、罰ゲームってことなの?
「すんすん」
「匂いを嗅ぐな変態!!」
「じゃ、食べていい?」
「言い訳あるか!!てかはなせー」
ふぬぬ。離れようと試みるが全然動かない。この野球バカは野球のために筋肉つけてるからこんな無駄に強くなってるんだ。ぺチぺチたたくとその手をつかまれてぺろりとなめられる。ひっ。と短い悲鳴を上げれば楽しそうに笑い食いたくなる。なんてまたいうから今度こそ思いっきり叫んだ。
「冗談もほどほどにしないからそうなるんだよ」
御幸の頬には現在赤い紅葉が大きく主張している。そんな頬をなでてにやりと笑い冗談じゃないんだけどなぁ。という。それこそ冗談だ。
「俺はそのまんまのほうが好みなんだけど。ダイエットなんかしないほうがすき」
「なななな何言ってるのよ!普通に男はきれいな女の子が好きでしょ!!」
「それは一般論で、俺はこう・・・食いたくなっちゃう奴のほうが好き」
「要するにデブっていいたいの?殴るよ?」
「違う。好きっていってんの、お前のことが」
「へ!?」
「お前だって俺のこと好きなんだから俺好みのままでいいじゃん」
な?といってにやりと笑う御幸にもう一つきれいな紅葉が描かれるのはそのあとすぐのことだった。

女の子だものかわいくなりたい!

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