帰ってきた御幸にお帰りなさい。と声をかけた瞬間手を引かれ、寝室に押し込められる。いいから、十分ここから出てくるな。といって御幸はリビングに行ってしまった。すぐに聴こえてくるのは怒鳴り声。慌ててドアを閉めるとだいぶましになる。さすが高いお部屋だ。それから言われたとおり待っているとしばらくすると扉が空いて御幸が迎えに来た。紹介するから、ちょっと来て。不機嫌そうな顔をしているということはきっとうまくいかなかったんだろう。そういえば御幸は投手というのは自己中の塊と前に話していたのを思い出す。もしかしたら彼は投手なのかもしれない。
「俺の彼女で未来の奥さんになるもなだ」
「ちょ、話大きくしすぎ!」
「事実だからいいんだよ。で、これで満足しただろ?」
さっさと帰れ!と御幸がいうと男の子はじろじろと私を見る。一也タイプ変わったの?すっごい平凡な子。ていうか、中の下?良くて中の中としか言えないけど。はっきりと事実を言われれば結構ぐさりとナイフが突き刺さる。いや、事実だけどもさ。もうちょっとオブラートにいってくれないかな。直球過ぎて腹立つことはなかったけどね。でも傷つきはするんですけど。前からタイプなんてかわってねーよ。短くても3年は本気の片思いだっつの。こいつに。え?!あの一也が?!あの?聞くな!お前は!めっちゃ遊びまくってたのにいきなりどうしたわけ?そんなに魅力のある女なの?どこにあるの?普通の一般人以上何もないじゃん。お前に分かってもらおうなんて思っちゃいねーよ。こいつの魅力は俺一人知ってたら十分だ。え?一也ってもしかしてよでいうあっち系の人だったの?それ以上言ってみろお前・・・。本気で怒りそうになる御幸を慌てて止めて必死に止める。大丈夫、大丈夫だから。ね?御幸がわかってくれてるんでしょ?それでいいじゃない。喧嘩はダーメ。ほら、笑って笑って。にーって。でも全然怒りの収まらない御幸に最終手段だ。と言わんばかりに両手を広げておいで。というと迷わず抱きつかれる。これでちょっとはマシになるだろう。目の前の男の子にしっ。と指で伝えるとさすがに状況を理解したのか何も言わずにいてくれた。
しばらくして落ち着いた御幸にご飯にしようね。と声をかけさっき手を洗ってなかったでしょ。洗っておいで。といって洗面所に押し込んだ。男の子と向き合って、ご飯食べていきますか?と聞くと頷かれたので3人分お皿によそった。洗面所から戻ってきた御幸になんでこいつまで。と言わんばかりの顔を向けられたが笑って受け流し、席に着くように言うと大人しく席に着く。いただきます。と行ってからご飯を食べ始めると目の前の男の子も同じように一口ぱくりと口に含む。口に合うかな。ときにしていれば、なにこれ、超うまい!!お前が作ったの?!と聞かれたので頷くと胃袋掴まれたのか!となにか納得しガツガツとご飯を食べ続けた。何はともあれ口に合って良かった。御幸にどうですか?と聞くと不服そうな顔をしてうまい。と一言もらった。ああ、彼が先にいったからすねちゃったじゃないか。でもそんなとこまで愛おしく感じてしまう。ああ、ほんとに感覚がおかしくなってるかも。ふーん。なにか?一也がそんな顔するんだなって思ってさ。女関係で。この人すごい嫉妬深いですよ?遊んでたときは浮気?されても気にしなかったけどね。今俺がおふざけでもちょっとでも手を出したら暴れそうなくらいじゃん。ふふ、大丈夫ですよ。だって私浮気する気ないですから。誰とも。へー。イケメンとかアイドルとかお金持ちでも?んー、クリスさんよりかっこいい人なら悩みます。そこは俺だろ?!御幸のツッコミに思わず笑ってしまった。言うと思ったけど
「じゃ、お邪魔しました」
「おう、ほんと邪魔だ。二度と来るな」
「こらこら。気をつけて帰ってくださいね。えっと・・・」
名前なんだっけ?と思ってると成宮鳴。鳴でいいよ。あとタメ口でいいし。どうせ年近いか、ためなんだし。といわれ笑顔でわかった。頷いた


どうせ変わらないんだからいいじゃないか


prev next

 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -