ここあけてよかーずーやー!家の外から聞こえる声にどうしようか悩む。璃奈さんのことで学習したわたしはカメラで相手を確認してみたのだがその相手が男の子だったのだ。今まで見たことないし、青道の話では聞いたことないような人だ。とりあえずすぐに御幸にメールして返事を待つ。すると何やら外で男の子が騒ぎ出す。
は?家にいないってうそだし!美味しそうな匂いしてるから!なに?家政婦さんいるとかでも言うつもり?そんなに帰ればっかり言われたら怪しいんだけど。やーだ、何かありそうだし。何隠してんの?まぁ、教えてくれないならなかにいる人に確認とるからいいけど。じゃ。早く帰ってきなよー。じゃないと隠してるもの持ってっちゃうよ?その言葉以降声が聞こえなくなる。何する気。と思っていると今すぐ開けないと飛び降りちゃうよー。なんて言われて驚いて玄関のカメラを見ると壁に座っているのか足だけがぷらぷらと見える。慌てて玄関に行って鍵を開けるとニンマリとした笑顔に出迎えられた。
「へー。これが一也の隠したかったものか」
慌てて扉を閉めようとしたけど男相手に力では叶わなかった。急いで御幸に連絡を入れるとすぐもどるから寝室にこもってろ。と言われる。けどこの人がいろいろなものをあさろうとするからそれを止めるためにそれがかなわない。この人すごく苦手だ。
「それで、君誰なの?」
「御幸さんに何を聞かれても返事をするなと言われておりますのでお答えできません。これ以降口も聞きません」
はっきりというとつまんない。といって男の子は口を尖らせる。つまんないとかじゃない!勝手に人の家に上がり込んで!大きくため息をつきたいのを我慢してコーヒー飲みますか?と聞いてもらってやらなくもない。ミルクたっぷり。あ、子供じゃないからシロップなんていらないからね!なんて返事をされながらキッチンに行きコーヒーを入れる。コップにミルクをたっぷり入れその上からコーヒーを注ぎ入れる。シロップちょっと入れてやろうかな。なんて思いながらも実行はせずにコップを持って男の子の前に置いた。君さ、俺のこと知らないの?はぁ。存じませんが。え?!この俺知らないの?!大丈夫?!自意識過剰というお言葉を知っていますか。
だけどここまで言うということはほんとに少しは有名なのかもしれない。御幸の知り合いだし。うーん、じゃぁあれかな。同じ野球選手か。それとも芸能人?もう一度顔を見るとそれは可愛らしい顔だとは思う。だけど記憶に覚えはない。ということはそんなに有名じゃないんだろう。勝手に結論づけて自分の分のコーヒーをすする。ねぇ。はい。これどこの豆?ああ、御幸さんが買ってきてるからどこかは知りませんけど、豆から挽いてますよ。それにしても上等なやつかな?一也いい趣味してるね。さすが。一也。とうのは御幸だろう。ふむ、下の名前で呼ぶくらいというのは結構仲のいい人?いや、でもだったらなんで連絡したときあんな返事を返してきたのだ。喧嘩中とか?ややこしい人とか?前者はともかく後者はあたりだろう。まぁ、帰ってくるまであと少し待っとけばいいか。ねー、お腹すいた。そう言われて仕方なく先日焼いたスコーンを持ってくる。晩ごはん前なんであまり食べちゃダメですよ。という言葉をつけて。そしたら野球選手の胃袋舐めたらダメだよ。と言われた。やっぱりそうなのか。と思いながらさて、後どのくらいこうしてればいいのかな。心の中でつぶやいた


君は帰ってこない


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