「同窓会、か・・・」
メールで回ってきたお知らせを見ながらふぅ。と息をつく。同窓会。そんなものしばらく言ってなかったな。年に一度くらい開かれたりしてるらしいけどここ3年はいってない気がする。4年前はたぶん行った。その日の晩はちょうど御幸もいないし、気分転換にはいいか。旧友に会うのも。なんて思いながらカレンダーに同窓会と書き込む。一応メールで御幸には同窓会に出てるのでこの日は帰り遅くなるよ。という連絡を入れておく。今は遠征で少し離れた場所に行ってる。同窓会はその最終日のはずだ。次の日の晩くらいに戻ると聞いているし、大丈夫だろう。一応のため晩ご飯だけ作っていこうかな。
そんなこんなで同窓会当日。旧友たちと連絡を取りながらひとつのお店の中に入ると結構な人数が揃ってる。案外揃うものだ。まぁ、学年で集まりをかけてるらしいしね。うわ、久しぶりもな!と旧友に声かけられながらわたしもうわホント久しぶり!元気してた?なんて言いながら席に座る。てかほんとにもなってば全然こなさすぎ。同窓会。いやー、仕事忙しくてさ。そりゃわかるけどちょっとくらい顔出ししなよ。あはは、ごめんごめん。たまに席替えなんかしたりしながらわいわいしているといろんな人に再開する。特に驚いたのが幼稚園からの男の幼馴染があの頃は同じぐらいの背丈だったのにいきなり大きくなっていたことだ。俊ちゃんと読んでいたその人はすでに男の人になっていた。そういえばもなってよく俊に叩かれてたよね。あー、思い出すだけで古傷が痛む。どんだけ深い傷だよ。なんて笑いながらお酒を飲んだ。こうやって友達とお酒を飲み交わすのも楽しいけど、少しさみしいな。なんて思ったのはなぜだろうか。
「あれ?お前久留野か?」
「えっと・・・どちらさまで?」
「やっだなー。ヤマケンだよ」
え、ヤマケン?!私が驚いた反応をするとヤマケンはかっこよくなっただろ?とふざけて決めポーズをしてくれる。こういう面白いところはやっぱりヤマケンだ。ひさしぶりだね。なんて声をかけるとお前俺の呼びかけに返事しないからな!なんて若干嫌味を言われた。いや、別にほんとたまたまなんだけどヤマケンのお誘いの日にち嫌がらせか?って思うくらい合わないんだもん。今年は長けちゃんが収集かけたんだよね。そしたらもなくるって、ヤマケンのこと実は嫌いだったりして?長けちゃんって誰だっけ?長久だよ!えーっと・・・・。ほら、よく招きねこのものまねしてくれてた。ああ!招き猫か!覚え方。ケラケラと友達に笑われながら楽しくお酒をまた煽る。喉に染み渡るお酒特有の感覚がやけに気持ちいい。つか久留野ちょっと痩せた?いつからのこと言ってるかわかんないけどピークよりは減ってるかな。ヤマケン女子に対して失礼。いや、そうじゃなくて。なんかちょっと雰囲気変わったっつうか。大人っぽくなったな。わたしが?思わぬ言葉に驚くとお前もっと騒いでたのにおとなしくなってるから。といわれああ。と納得した。そりゃ久々来て騒げないよ。そんな勇者じゃないって。
「あと、なんか女っぽくなったな!彼氏でもできたか?」
その発言に口に含んだばかりのお酒を吹き出しそうになり慌てて口を押さえる。うわ、ヤマケン口説いてる!とか友達がふざけてくれたおかげでなんとかま逃れたけどさすがに驚いた。さすが野生児だっただけある。小学校のころ。なんて勘してるんだ。誰にも突っ込まれなかったのに。そのあとは急いでお酒を飲んで席を移動した。これ以上ヤマケンに変なこと言われないように。だって御幸とのことなんて話せないもん。まだ親にも、親よりも過保護な幼馴染の女の子にも言ってないんだから。それに、言えないんだから。



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