「お前、いったのかよあいつに?!」
俺が頷くと倉持先輩はこのバカ!と怒鳴って走り出す。な、なんであんなに怒ったんだ?意味がわからなくて首をかしげると目の前にいた春っちが困った顔をする。栄純くん、それ言っちゃダメだと思う。え?なんで?降谷も俺と一緒で首をかしげた。もなさんが知りたいって言ってたし、嘘は一言も言ってない。なのに、なんでだめなんだ??まぁ、栄純くんが悪いってわけではないけどね。もなさんもわざと栄純くんに話を聞いたんだろうし。わざと俺に??栄純くんなら話してくれると思ったんだと思うよ。事実話したし。なんだよ。じゃぁ春っちなら話さなかったのかよ。俺がそうきくとまぁね。と返される。なんだよそれ!何がダメなのか言ってくれねーと俺わかんねぇよ!
「もなさんがなんで御幸先輩と付き合うの渋ってたか覚えてる?」
「ん?そりゃ御幸の素行に不安を感じてだろ」
「あ。そ、そうなんだけどね。そうじゃなくてもなさんはすごく不安だったんだよ。自信がないから」
「もなさんは御幸にもったいないいい人だろ?」
「僕もそれはわかってるよ。けどね、本人がそう思ってるとは限らない。むしろ、もなさんは逆なんじゃないかな」
じゃぁ、俺のせいでもなさん泣いたのか。そんな事を考えてると携帯がなる。なんだと思っていれば今話していたもなさんだった。もしもし。とでると栄純くん大丈夫?!と聞かれた。は、はい。と動揺しながらも返すとよかった。とホントに安心したような声が聞こえる。ごめんね、私のせいで倉持に怒られたんでしょ。たぶん倉持先輩が連絡したんだろう。それで慌てて俺のこと気にしてくれたんだ。すいやせん。俺こそ気を使えず。というとそれ知っててわざと聞いた私が悪いんだから栄純くんは何も悪くないよ。むしろありがとう。とお礼を言われる。そこに誰か一緒にいる?と聞かれ春っちと降谷が。というと変わってもらっていいかなと言われたので春っちに携帯を差し出す。相手は春っちもわかっていたようでありがとう。というと素直に受け取りもなさんと何かを話し出す。電話が終わったあと春っちは苦笑しながら栄純くんを責めないでって言われちゃったよ。ともなさんと話したことを教えてくれた。まさかもっち先輩から連絡受けてすぐに心配して連絡をくれたのだろうか。ほんともなさん栄純くんのこと大好きだね。そう言われてまだもなさんと電話中の降谷をみる。いや、俺だけじゃなくてもなさんは俺たち3人ともきっと可愛くて仕方ないんだと思う。でも素直に俺のことを気にかけてくれているという事実は嬉しくてほほは自然と緩み、だらしない顔になる
「栄純くん、もなさんに何聞かれたの?」
「ん?璃那先輩ってどんな人とか、どこで知り合ったのかとか?」
「御幸先輩が変なことしてないといいんだけど・・・」
そう言って春っちは大きくため息をついた。変なことって、あの変態メガネもなさんにまさかいやらしいことをしようと?!違うから。いや、それ多分もうされてると思うし、じゃなくて違うよ!ただ、誤解されるような行動とってないといいなって話。誤解・・・??女の子は不安になりやすいんだよ。ましてや初恋の人ってきっと一番覚えてるものだよ。御幸先輩ってあんまり女の人に心許さないのに璃那先輩には許してるし、そこがもなさん気になったんじゃないかな。でもあのメガネもなさんといるときはほかの誰にも向けないくらい気持ちわるい顔してる。それを見れば俺たちからも御幸の中での特別がもなさんだけってわかるのに。不安になるものなのだろうか。・・・今度もなさんのところに遊びに行こう。ちょっとは笑ってくれるといいな。無理してじゃなくて、ホントの笑顔で


お姉ちゃん起きてよ。朝だよ


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