おもてなしとしてとりあえず紅茶と今朝焼いたクッキーを出す。どうぞ。というと女の人はどうも。といって一口クッキーをかじった。おいしい。ぽつりと溢れるように言われた言葉にホッと胸をなでおろし。よかった。というといや、ほんとに美味しいってこれ!!どこに売ってたの?!といきなり身を乗り出された。驚きながらも自分で。というと女の人は嘘でしょ?!すごすぎ!!と感動してくれる。い、いやなんか恥ずかしいな。
「あ、自己紹介まだだったよね。私は結城璃那(りな)です。よろしく」
「私は久留野もなです。料理教室で働いてます」
ん?結城ってどこかで聞いたことがあるようなないような。悩んでいるあいだも璃那さんは美味しい美味しいといってクッキーを食べてくれる。なんだかその顔を見てると嬉しくてついついムースもありますよ。というと食べる!と笑顔で言われたので冷蔵庫からムースを取り出して彼女の目の前に出した。
一通り食べおわると璃那さんはお腹いっぱいと言ってお腹を撫でる。お粗末さまでした。と私も両手を合わせる。あのさ、もなちゃんは御幸の・・・恋人?あ、はい。一応お付き合いしてます。そういうと璃那さんは目頭を押さえ込む。どうしたんだろうか。こんな話していいのかわからないけどさ。偏見っていうか、経験談なんだけどね。御幸の元カノって結構性格きつい人多かったのよ。すぐ暴力に走ったり、口悪かったり、もうとにかくうざ。って思うような人ばっかりだったの。ああ、それわかります!というとひどく驚かれた。でも私も実際経験してるのだ。ビンタされたり泣き喚かれたりされたことを。あれほんとに困りますよね。いや、私じゃなくて御幸に言ってよ。ってなりました。そうそう。そうなのよ!なんでわたし?問題あいつじゃんか。っていっつもキレそうになった。わたしいつも呆れて黙ってましたよ。もうなんかちょっと誤解解こうとすると話聞かずに怒るじゃないですか。それそれ。人の話聞けよこの女。ってなんど拳握ったか。あー、ほんとそれですよね。もうなんでこの人話聞かないくせに怒ってるの?意味わからない。って思いました。もなちゃん気があうね!てか料理上手だし、性格いいし、可愛いのになんで御幸なんかと付き合ってるの?もったいないよ。御幸なんか。
そんなことないですよ。と否定しようとしたときいきなり後ろからギュッと抱きしめられら。誰?!と驚いていると変なことこいつに吹き込むのやめてくんない。という声が聞こえて御幸だとわかった。おかえりなさい。ととりあえず言うとただいま。といって頬にキスをされる。人前!と怒っても気にせず抱きしめた腕は解かない。てかいきなり人の家くんのやめろ。もなに誤解されたらどうすんだよ。そのときはもなちゃん私がもらってあげるから大丈夫!てか今までのことタイプ違うくない?なに?なんか心境の変化でもあった?なんて話しているときに御幸の腕をぺちぺち叩いく。晩ご飯の用意できない。そう怒ると黙って抱きしめていた腕を解いた。そのまま璃那さんの方を見てご飯食べていってくださいね。といってキッチンに姿を消してみる。
なにか重要な話があったのかもしれない。そう思ってキッチンに消えたはずなのに聴こえてくるのは静かな言い争いのようなものだった。怖い怖い。しばらくキッチンに隠れてようかな。なんて思っていると御幸がキッチンにやってきて私の腕をグイグイと引っ張る。なに。と反論する間もなかった。
「こいつ、俺の彼女だから。本気の彼女だから」
璃那さんの前に連れ出されて言われた言葉に頬が赤くなっていくのがわかった。さ、さらって言わないでよ。恥ずかしいのに
「で、こっちの人は俺の高校時代の同期であり先輩」
「ん?同期であり、先輩・・・・?」
意味がわからなくて首をかしげると2年生二回やってるんだ。と言われた。それを聞いてすかさず璃那さんも嫌な言い方しないでよ!と怒る。それからしばらくふたりの言い合いは止まらなかった


炭酸ジュースの女の子

prev next

 

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -