後輩が入ってきた。新入社員とかじゃなくて、よその支部でバイトとして働いていた子らしい。それが正社員となり、うちに来た。そこまでは良かったのだが彼女の性格には少し難しいところがある。まず女子の典型的なパターン
「先輩お疲れ様です。コーヒーいかがですか?」
「ありがと!いや、助かるよ」
男への媚びがすごい。いや、もう媚びとよんでいいのかさえわからないレベルだ。後輩君は一応先輩を差し置いてそういうのは貰えない。といって断っているのを見たことがあるが、それ以外の男たちはみんなメロメロだった。ああ、男って単純で馬鹿だ。同期の子の言葉に苦笑するしかない。馬鹿なところが可愛いんだよ。なんてフォローのしようがないくらいひどかった。そして彼女はどうやら後輩君が一番のお気に入りらしく、したわれている私を目の敵にする。結構色々と厄介だ。面倒事を起こすのだけはホントにやめてほしい。ちゃんと説明した作業も、えー。あたしこんなの聞いてません。でも私がちゃんと聞かなかったのが悪いんですよね。とか言い方がすごく健かだ。もうすごい自分が悪いんです。みたいなオーラむんむん。それをみた男性社員の態度。私にちゃんとフォローしてやれよ。とか言い出したりしてさ。だんだんと笑えてくるほど。イライラしたのでじゃぁ、この間あなたのミス、手伝うって言ってたけどこっちもてがいっぱいいっぱいだから悪いけどやめさせていただきます。といってちょっとだけすっきりした。
あれから彼がお店に来ることはほとんどない。親の仕事関係で顔を店に来ることはあっても二人きりで会うというのは少ない。仕事のことを抜けば全くなかった。ただいつもどおりに接してくれる彼にどうしていいのかわからなくて余計に辛かった。そんななか、その話を聞きつけた新入りちゃんは面白いと言わんばかりの顔で聞いてくる。正直迷惑だし、仕事をして欲しい。だけどあんまり強く言うといきなりすごいしょぼんとした顔をされて周りの目が痛くなるんだよね。ああ、なんて理不尽。やっぱり顔か。顔なのか。くそう。
仕事場ではこんなややこしい日々。それに反してなのか、それとも比例してなのか、最近御幸がすごく甘い。すっごく甘やかしてきたり、甘えてきたり。よくわからない。たまに何がしたいんだって思うような行動が多々ある。そのうち迎えとか来そうで怖い。とか思っていたその日に御幸は迎えに来た。ああ。と頭を抱えれば後ろから新入りちゃんが先輩の彼氏ですかぁ?なんてすでに媚びた顔をして自分が一番可愛く見える位置まで近づく。さすがとしかこれには言えなかった。御幸はその子にひと目もくれずに行くぞ。といって私の前まで来る。これまたさすがですね。イケメンさまだとこのくらいの女の子は山のようによってくるんだろう。一歩前に出ようとするとすかさず新入りちゃんが割り込んできてお名前なんて言うんですか?なんてきき始める。え。ちょっと迷惑とか考えないの?普通に嫌がられてるってわかるでしょ??私が驚いた顔をしていると御幸がそれをみて笑い、私を自分の方を引き寄せて歩き出す。ああいうタイプの女ってどんな態度してもめげねぇんだよ、これが。そういって子供のような無邪気な顔をする御幸に思わず私も笑ってしまう。


君がいれば全て180度変わる

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