目を覚ましたら家には御幸も倉持もいた。いつの間に帰ったのだろうか。とりあえず倉持の前で醜態を晒したような気がする。そのことについて謝ろうとしても倉持は適当に流すし、さっさと飯作れとばかり言う。仕方なくいつものように作ればやっぱうまいな。と言ってくれたのでなんだかちょっとだけ胸がほっこりした。倉持は結局昨日のことは触れずにご飯食べてすこしだらだらするとそのまま帰っていった。御幸と二人きり、少しだけ気まずい気持ちがある。ちらりと御幸を見ると御幸はなんでもないような顔をしてこっちこい。といって私を手招きする。そして自分の膝の上に座らせるといきなりDVDを付け始めた。ホラー映画。語尾にハートがつくような感じでそう言われ私は慌てて立ち上がろうとするけどそれを御幸の腕が許さない。腰を固定され、抜け出せなくなっていた。やだやだやだ。とどれだけ嫌がっても御幸は面白がるだけで、結局私は何度もびくつきながらその怖い映画を見ることになった。映画が終わってほっと一息つくと携帯が光る。誰だろうと持って安易に手を伸ばすとその画面に写っている名前を見て慌てて明かりを電源ボタンを押して消した。私がわかりやすく慌てると御幸は楽しげに笑い、さっさと返事返してやれよ。と言い出す。そんなこと言われると思っていなかったので戸惑っていると私の自分の足の間に挟んだまま私の首筋にちゅっとキスをする。くすぐったくて身じろぎすると早くしないと返信できなくなんぞ。といって私の服の下に手を忍ばせる。まだ昼間!という反論をしても意味もなく、あれよあれよという間に御幸は行為を進めていく。慌ててメールをよんで返事を返したけどその内容はあの後の暑い熱に浮かされている頃にはすっかり忘れてしまっていた。
今日は御幸が帰ってこない。だから彼の誘いに乗って食事に行った。もちろん彼のエスコートで高いお店に連れて行かれ正直味よりもマナーとかに気を遣ってたから美味しいとかそういうのわからなかった。まぁでも嫌な時間ではなかったのだからよしとしよう。ただいま。といって家に帰るとおせーぞ。と怒られる。ごめんごめん。と謝ったところでおかしなことに気がつく。なんで御幸が戻らない日に人が家にいるの?!恐る恐るリビングに入るとテレビをつけてだらけている倉持がいた。なんだ、倉持か。泥棒かと思った。ヒャハ。失礼なやつだな。突然いないはずの家に人がいたら誰だってそう思うよ。もう。と言いながら途中で買ってきた食材を冷蔵庫にしまっていく。倉持ご飯は?あー、食ったけど腹減ってきたから夜食作れ。はいはい。食べたいものとかある?ねーわ。あ、でもあっさりしたやつな。あっさりしたやつか。うーん。いろいろ考えた末に焼きおにぎり梅茶漬けにしてみた。案外美味しいんだよこれが。ほい。といって倉持にひとつ私、横に座ってわたしもお茶漬けを食べる。お前何か食ってきたんじゃねぇの。食べた気がしなくてお腹すいた。ヒャハ。なんだそれ。お高い所行ってきてマナーとか考えてそれどころじゃなかったのよ。あー。カレシ飯食ってたのかよ。やってしまった。と後悔しても遅い。なんで私普通にいっちゃったんだろう。また追求に合うかも知れない。どうしようと頭をぐるぐる回転させて考えていると倉持が頭をわしゃわしゃとなでてきた。そーいやお前沢村と連絡とってんのか?最近はないかな。忙しいだろうし。またオフシーズンになったら連絡入れようと思って。じゃぁ、あのことも知らねーんだな。あのこと?なに?秘密だ。なっ!なによそれ!ずるいじゃない!もう少ししたら教えてやるよ。だからお前も話せるときになったらちゃんと話せ。いきなり真面目な顔をしてそんなことを言われたから思わず涙腺が緩みそうになった。もう、ほんとに泣かせる気か。
「倉持ほんとイケメン過ぎて辛い〜」
「ヒャハハ。今更気づいてもおせーよ」
「出会った最初は怖いヤンキーだったのにこんなのだとは思わなかったよ」
「おい今なんつった」
それから倉持とじゃれているといつの間にか眠くなって眠ってしまう。次の日の寝覚めは最高だった


素晴らしい朝が来た

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