よく来たな。まぁ、上がれよ!元気な声で出迎えてくれたのはこの家の家主である純さんだった。私はお邪魔します。と言いながら家の中に入る。その後ろをお邪魔しますと堂々とした姿で入っていく御幸と倉持。結局倉持だけではなく御幸までついてきてくれた。忙しいだろうからいいよといっても大丈夫の一点張りだった。なにをそんなに心配しているのだろうか。倉持だって一緒だから大丈夫なのに。純さんぴちこよたちげんきですか?!おお。元気だぞ。まぁ、チビの可愛げはなくなってきたけどな。ヒャハ。そりゃ最後はにわとりっすからね。いいじゃないの!鶏になったってずっと可愛いよ!そうだぞ倉持。それに自分でひよこから育てたんだ。カワイイに決まってんだろ!ですよね!ああ!やっぱり純さんとは気が合うらしい。他にもいろいろ話していてとても面白い。やっぱりこんなお兄ちゃんが欲しかったなぁ。そういや純さんもなのもろタイプらしいっすよ!ヒャハ。なんて倉持がケラケラ笑いながらそんなことを純さんに暴露した。はぁ?!と大きな声が二つ上がる。もちろん一つは純さん、もう一つは御幸だった。あんたに何の文句があるんだと聞きたかったけどその前にこの誤解を解かないと。いや、普通に兄にこんな人がいたらいいなぁ。っていう話ですよ?!すっごいかっこいいし、優しいし、ひとつのことにまっすぐなのに無邪気だったり少女漫画読んでたり可愛いところあるし、意見もいろいろ合うし。それでだから。あわあわと慌てていると倉持が大きな声で笑う。お前、純さんの顔見てみろ。そう御幸に言われて不思議に思いながらも見てみると顔を真っ赤に染めていた。あれ?ヒャハハ。お前素直に言いすぎ。あと無駄に褒めすぎ。おかげで純さん照れて顔真っ赤じゃねぇか。そう言われてみれば自分の言ったことはかなり恥ずかしいことじゃないだろうか。思わず私まで顔を真っ赤にする。おお、りんごだ。なんて言った御幸には八つ当たりも兼ねてみぞおちに肘を入れた。ま、まぁ。俺も何つーか。お前みたいな妹・・・いたらいいなと思うぞ。嘘でもそう言ってくれる純さんはやっぱり優しい。純さんに一生ついていきます!なんて大声で言うと純さんはおう!俺のことは兄だと思え!なんて乗っかってくれるから本当に楽しい。ふざけて純兄さんなんてよんだら今まで以上に顔を真っ赤にするところがまた可愛かった。こんどからさりげなく何度か純兄さんってよんでみよう。
俺も兄ちゃんって呼んでみろよ!なんて倉持が言い出すから洋一兄ちゃんとふざけて呼ぶと大爆笑された。私も笑ったけどそこまで笑うか。自分で言い出したくせに。とか言いながら私も笑ってしまう。洋一兄ちゃん。なんか面白い響き。純兄さんに洋一兄ちゃん。えらく怖い顔をした兄がいるものだ。御幸は呼ばれなくていいのか。と倉持が御幸に振るといいよ。と以外にも答える。御幸ならふざけてお兄様ってよんで。なんて言いそうなのに。熱でもあるんじゃないかと心配になったよ。だってそんな兄いっぱいいらねぇだろ。ここはやっぱり。そっか、弟か!それは思いつかなかった!は?え?いや違うくて。うんうん。私弟も欲しかったんだよね。御幸みたいのじゃなくて栄純君とか春市くんとか降谷くんみたいな天使。でもこの際仕方ないから今だけは弟にしてやらんでもない。ということで呼び方はかずちゃんだね。かずちゃん頭いいですね。いいこいいこ。といって御幸の頭を撫でると倉持と純さんが大きな声で笑い出す。がはははは。お前、御幸、にあってんぞ。かずちゃん。ちょ、純さんダメっすよ。それ、マジで腹がっ・・・。死にそうなくらいゲラゲラと笑うふたりを見てなんだか今日も平和だなぁ。なんて思った。だから隣のこの怖いオーラは見なかったふりをしよう


みてないみてない。

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