喧嘩してからなんだか倉持とより仲良くなった。前より会う回数や連絡する回数が増えた。話題は愚痴だったり、御幸の悪口だったり。たまに純さんからくるひよこのボンボンとぴちこよの写真とかも見せていろいろ話した。純さんって優しいね!なんかいろいろ気にかけてくれるの。例えば?御幸とは仲良くやってるかとか、御幸に変なことされてないかとか、帰りが遅い時があるって言ったときは御幸か倉持に迎えにこさせろなんて言うの。ヒャハ。あの人心配性だからな。あれで面倒みもいいし。うんうん。私あんなお兄ちゃん欲しかった。純さん?うん。ツンデレのお兄ちゃんとか最高じゃん!!しかも超かっこいい!!中身も外も!一番カッコいいのは亮さんだけどな。あ、出た。亮さんマニアめ。なんて言ってけらけらと笑うここは御幸の家だ。今日は御幸の帰りが遅くなると教えたらじゃぁ遊びに行くわ。といって倉持がやってきたのだ。
お前亮さんに気に入られてるな。は?!なんて恐ろしいこと言うの!!そんな訳無いじゃんか。会うたんびにイヤミしか言われないし。亮さん超怖い。あんなお兄ちゃん絶対いらない。でも亮さん結局お前のこと連れて帰ったんだろ?え、まぁ。うん。亮さん気に入らない奴を家に入れるような人じゃねぇよ。どんだけ体調が悪いやつだろうとタクシーがいいところだ。それは喜んでいいのだろうか。私からすれば改めて怖いとしか思えないんだけど。でも確かにあんな状態の私を連れて帰ってくれた。それは本当に感謝すべきことだ。なんだかんだで倉持とも仲直りさせてくれたんだし。あれ。そういえばなんで倉持が居場所知ってたの?亮さん御幸に連絡するとしか言ってなかったのに。不思議に思って倉持に聞いてみたけど曖昧に笑って濁された。まぁ、聞かれたくないことなら聞かないけどさ。そういえば純さんがボンボンとぴちこよを見にこいって誘ってくれてるんだ。それってあのひよこだろ?祭りの。そうそう。見に行きたいけど知らない場所って迷子になるからなぁ。ヒャハ。さすが馬鹿。倉持だけには言われたくないわ。仕方ねぇから付き添ってやるよ。え?ほんとに?!やばい。倉持イケメンに見える!!ヒャッハ。イケメンなんだよ。純さんの次にイケメン!お前、純さんのこと好きだな。うん!もうほんとにカッコいい!!なるほどな。お前のタイプだったのかよ。純さん。超タイプ!!
きゃっきゃと盛り上がっているとただいまー。と御幸の声が聞こえた。あれ、遅くなるんじゃなかったの。驚きながらも玄関に迎えに行くと不機嫌そうな顔をしていたので慌ててリビングに戻った。迎えに行ってんたじゃねぇの?と倉持に言われて超不機嫌なんだけど。というと一瞬きょとんとするがすぐに大きな声で笑い出す。じゃぁ、俺が迎えに行ってやるよ。倉持今日ほんとカッコいい!!とりあえず晩ご飯温め直してくる。といって私はキッチンに行き晩ご飯のビーフシチューを温め直す。レタスをちぎってポテトサラダと盛り付けて、机の上に並べていく。なんで倉持がいるんだよ。ヒャハ。もなが家に一人で寂しいって言うから来てやったんだよ。急いで帰ってきたっつの。でもこんな無駄に広い家だともなはさみしいんじゃねぇの?玄関から聴こえてくる会話を聞いて心の中で文句が溢れ出てくる。いや、確かに倉持の言うことには間違いはないけどさみしいとか言った覚えはない。リビングに入ってきた御幸におかえり。と声をかけると後で覚えておけよ。と言われる。即効で忘れた。と返すと思いださせるから大丈夫。なんて言われた。嬉しくない。手を洗っておいでというと素直に移動するだけましなのかもしれない。倉持にはお茶のボトルとコップをわたし注ぐように頼んで私は最後にビールを冷蔵庫から出した。3人分ご飯が用意された机の前にある椅子に3人で座って一緒にいただきますをいってから食べ始める。相変わらずもなの飯は美味いな。倉持がもぐもぐとほおばりながら褒めてくれるからちょっとくすぐったい。こう見ると倉持も可愛く見えた。つか最近お前ら仲良すぎ。不満げな顔をする御幸にふたり揃ってきょとんとしてすぐにくすりと笑う。それはしょうがないじゃない。喧嘩すぐ程仲がいいのだから


喧嘩するほど仲のいい

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