結局メールの返事はなかったので仕事場を出てとぼとぼと歩く。なんかすごい精神的に疲れた。結構内面弱いんだよ。もう青い猫型ロボットのアニメに登場するお坊ちゃま並に。流石に「ママ〜」なんて言ってないけど。
帰ったらどうしようか。お母さん晩御飯作ってるかな。でもなんか今日は酔ってしまいたい気分なんだよね。潰れるくらい飲んでしまいたい
明日だって仕事あるのに。何を考えているんだろうか。ほんとに馬鹿だ。もう今日ほんとに落ち込んでしまってる。あれかな、月のものが近いからこんなに情緒不安定なのかな
仕方ない。と自分にいってスーパーに足を向ける。おつまみとお酒を適当にかごに入れて会計を済ませる。ちょっと多く買ったせいで重いけど自分のなんだから頑張れ、と自分で自分を励まして家までの道のりを必死であるいた
家の鍵を開けて「ただいま」と言うと「おかえり」と返事が返ってくる。どうやらお母さんはまだ起きていたらしい。晩ご飯あるよ。と言われたので食べると返したらだったら手を洗ってきなさい。とお母さんらしいことを言われた
なんだかそんなことにちょっと胸がほっこりして素直に従い、服を着替えれば机の上には暖かなご飯が並んでいた。おいしそう。畳の上に座って両手を合わして頂きますと行ってすぐにご飯を食べる。あ、お酒冷やさないと。でもご飯覚めると嫌だし後にしよう
お母さんも隣に並んでテレビの電源をつけて録画していたバラエティーをつける。
そんなバラエティーの今回のテーマが何故か結婚だった。すごく嫌な気分。なんで今そんなテーマの話を聞かなければならないんだ。この番組好きだったけど嫌いになるぞ、なんて勝手に一人へそを曲げてもぐもぐと黙ってご飯を食べる。
「もなは、彼氏いないの?」とお母さんに聞かれてまた少し機嫌を悪くしてしまいそっけなく「いないよ」と返してしまう。今その話題に触れて欲しくないんだもん
ごちそうさま。と言って食器を持って立ち上がり流しにつけてちゃっちゃと洗ってしまう。あの番組見たくないし、お風呂入っちゃおうかな。それからお酒飲もう。
そう決めると買ってきたお酒にきっちり名前を書いて冷蔵庫にしまいお風呂入ってくる。と母に一言告げて服を脱ぎ捨て、シャワーのお湯を出した。
独身まっしぐらの人生だ。昔は恋っていうのは生きていれば勝手にできるものだと思っていた。だけど途中で知ったんだ。何もせずに恋が出来るのは可愛い子限定。そうでない子は自分が頑張らないと恋など到底できないと
「高望みしてるつもりはないんだけどなぁ・・・」
別に顔とかは気にしない。そりゃ、流石に自分よりかなり年上のおじさんとかは嫌だけどね。鼻息荒い人も嫌だよ。というかそういうアブナイ系は嫌だ。普通の人がいい。収入だって、顔だって普通でいい。普通がいい。ただ本気で私をずっと愛してくれて、私も愛せる人。それだけが私の求める条件。
恋というのは私が思っているよりもはるかに奥が深いのだろう。友情ですら手こずっている私にはそりゃ難しい話なのかもしれない。ああ、なるほど。まだ私には恋とかのスタートラインにも立てていないのか。なんて勝手に自己完結
湯船から上がってバスタオルに身を包むと着替えのかごに入れていた携帯がピコピコと光っているのが見えた。誰からか連絡が来たのだろうか。仕事関係は今は嫌だなぁ。
そう思いながらパジャマを着てチューハイを片手に携帯をいじる。そしてぐいっと煽ってメールの相手を確認すると思いっきりお酒を吹き出しそうになる。咄嗟に口を押さえてなんとかそれは我慢した。ここで吹き出したら女として終わってるでしょ。確実に
そっとメールをタッチして中を開くと「週末に。いつもどおりで」と短い文が入っていた。もちろん送り主は御幸だ
返事を返そうともう一度画面をタッチするとスクロールできることに気づき下まで下げると思わず「なっ」と声が漏れる
「ちょっと遠慮気味な文なので減点。頑張り賞ってとこかな。よくできました」と最後にニヤニヤ笑っている顔文字までつけてあった。ほんとにこの人私のこと何歳だと思ってるの。もう社会人になって結構立つし、お仕事はバイトのことを含めたら御幸より私のほうが早く始めてるのに!
ここまで子供扱いされるとムカつくとかよりも恥ずかしさのほうが大きい。このことを誰かに愚痴ったらノロケとか言われるから言わないけどね。(すでに経験済みだ)
私はささっとメールを返すともう一度ぐいっとお酒をあおった。ああ、やっぱり今日は酔ってるんだ。ちょっと暑い



素直じゃない女は嫌ですか


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