ああ、腹が立つ。腸が煮えくり返るっつのはこういう事を言うのだろう。ほんとに嬉しそうに笑いながら降谷の背中に乗るもなを見れば自然と眉間にシワが寄った。あいつ最初降谷に自分から抱きついていた。だしかによくあることだが顔も赤かった。明らかに男を意識していたのが見て取れた。普段は服を着てるから、いきなり半裸で抱きしめられたらそういう反応もするかもしれない。そうわかっていても腹が立つ。嬉しそうに笑ってるのはいい。けどなんで違う男のとなりでなんだよ。かえって泣かす。そう決めると俺はとにかくこの鬼というポジションを脱却するために一番捕まえやすそうな沢村を見つけるためにわざとおーいバカ村。とよんでみる
誰が馬鹿だ!なんて言われたが返事を返すところが馬鹿なんだよ。というのは当たり前だろう
そのまま沢村をタッチしてすぐにもなを探す。ったく、あのバカどこ行きやがった。見つけたらただじゃおかねぇ。なんて思っていると突然御幸!と名前を呼ばれる。しかもこの声・・・。まさかと思って振り返れば笑顔のもながいた。なんでもなが。もう、探したんだよ。は?慌てて目の前まで行くとポン。と肩を叩かれる。へ?タッチ。これで御幸が鬼。一瞬状況がわからなかった。えっと。もなが俺を探していた理由は自分が鬼だからタッチするためだったってわけか。へー。なるほどな・・・・。帰ってから覚えておけよ。というと今日は春市くんの家にお泊まり会だから帰りません。と言われる。は?聞いてねーよ。そんな話。今言いました。それじゃ、鬼頑張ってね。私つぎの亀見つけないとダメだから。浦島太郎かよ。といつもなら突っ込むがそうも言ってられない。今回もなが黙っていることが多すぎる。おい。と止めようとすると倉持みっけ。といってもなは倉持のところまですぐさま移動してしまう。亀になって。はぁ。ふざけんな。いいじゃん。私泳ぐの遅いんだもん。鬼になったらお前狙うわ。そのときはまた御幸狙おうかな・・・。は?お前鬼になったのかよ。うん。御幸タッチしてきた。今さっき。よくお前が捕まえられたな。お前鬼になったらずっと変わらねぇと思ってた。はっはっは。鬼なんて言わず普通に御幸見つけて名前呼んで、探したよ。っていったの。それに引っかかったのか。あいつ馬鹿だなぁ。うん。でも今すぐそこにいるから倉持ダッシュで逃げて。はぁ?!そういうこと先にえよ!!慌てて逃げ出す倉持とその背中に乗っているもなを追いかける。バカ降りろ。捕まんだろ。やだ。次の亀見つかるまで倉持が亀。浦島太郎はそんな傲慢じゃねぇ!ニュウ浦島太郎だからいいの!なんてバカバカしい言い合いもだんだんと人の波のせいで聞こえなくなり、姿さえ見えなくなる。くそ。倉持のやつ。逃げ足が速いやつだ。あ、御幸先輩。今度は降谷がやって来る。もなさんみませんでしたか?さっき鬼になって御幸先輩狙いに行ったんですけど。降谷を手招きすると素直にそばまでやってくる。そしてポン。と肩を叩いた。おかげさまで俺が鬼でした。なんて言うと明らかにショックを受けた顔をする。そしてすぐに誰かを狙いにすぐに動き出す。倉持捕まれ。切実にそう思った
昼になると一度遊びを切り上げて荷物を置いているところに戻る。財布をロッカーに取りに行ってで店でいろいろ買い込んだ。
あれもこれも食べたい!と言っているもなはでも自分の胃袋に収さまらないことをよくわかっているらしくうんうん悩んでいた。じゃぁ、俺と半分にするか。といえば満面の笑みで仕方ないからそれでいい。なんていう。まったく、ほんとかわいいやつ。


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