数日後。本当に御幸は水着を買ってきた。まさかこんなすぐに買ってくれるとは。お金払う。というと先にきてこい。と言われる。まぁ、確かにサイズ合わなかったら話にならないからね。とりあえず水着を受け取って寝室でささっと着替えてみる。やっぱりビキニか。水着を見た瞬間思った感想はそれだったけどきてみると案外この水着カワイイではないか。ちょっといいかも。なんて思った。このでかいおしりとお腹さえなければね。この上に最初はTシャツでもきようか。サイズはとりあえずぴったしだ。御幸怖いわほんと。タンスから適当なTシャツを出して合わせてみる。うん。案外いけるじゃないか。さて、着替えるか。とTシャツを手にかけたところでいきなり部屋の扉が空いた。なんで入ってくんの。誰だってこのツッコミをまず言うだろう。だってこのまま放置したらお前絶対水着脱いじゃうじゃん。当たり前じゃないか。なんで家の中を水着で動き回るんだ。変態か。
俺に一番見せて。なんてセリフは彼氏しか言うべきじゃないと思う。とはっきり言うときょとんとした顔をされる。だってもなは俺のじゃん。もはやわけがわからない。たまに出る御幸の理解できない独占欲だということだけはすぐに理解した。たかがセフレだっていうのに。まったくこの人は。
仕方ないなぁ。といって水着を着たまま立ち上がって見せるとそのTシャツも確かにいいな。と意外と褒められた。隠すなとかいつもならいいそうなのに。意外だ。熱でもあるのだろうかとおでこを触ってみたけど普通だ。じゃぁ、やっぱりどこか壊れたのだろうか。もな。そのまま万歳して。と言われて素直に従うと一気にシャツを脱がされる。ああ、コイツこういうやつだった。呆れた顔をするとそんな顔しちゃいやん。なんていう。そんな顔させた張本人なのにね。変な話だね。
「うん。やっぱ似合う。かわいい」
「御幸のお世辞ほど嬉しくないものはないよ。春市くんならちゃんと嘘でも褒めてくれるもん!栄純くんだけはお口塞がせてもらう。素直な直球絶対痛いから」
「いやいや、マジでいい。このまま食いたいくらい」
「わー、ありがとう。さっさと出てけ変態」
「ちょっとだけ。一回だけ」
「その一回が二回三回って増えていくって知ってるんで嫌です。離せへんたいメガネ」
「はっはっは。ありがとう」
「褒めてませんよ?!」
そんな事を言っても結局は最終的にいつもこの人の手の上で転がされる。つまり美味しく頂かれるというわけだ。新しい水着にこんな嫌な思い出が染み込むとは、思ってもいなかった。本気で私がそう言うと御幸は期待してたんじゃねーの?ホントは。なんて言うから枕で顔面を殴りつける。そんな期待サラサラしてないよ。ああ、こんな水着で春市くんたちに会うのがなんだか申し訳ない。こんな汚れた水着で。水着に罪はない。全てはこの男のせいだ。未だに痛む腰をさすりながらキッっと睨むと御幸はいつものようにはっはっは。と笑う。いつか絶対やり返してやる。なんてイミのない決意をしたのは何日目だろうか



次ことは君に勝つ

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