夏まつりがあるんですよ。そう声をかけてくれたのは降谷くんだった。青道の人達と一緒に行くことになっているから来ないか。とのことだった。行きたいけどそれは邪魔になるんじゃ。と言えばいえ大丈夫です。全然大丈夫です。と言われたのでお言葉に甘えることにした。だけどやっぱり来るんじゃなかった。そう思わずにはいられないほど、ここは眩しい世界だった。こっちだこっち!純。これを見ろ。ひよこがいるぞ。あぁ。可愛いな。うがぁ!こっちだ春っち!!まってよ栄純君!若いっていいねぇ。それが私の今の気持ちだ。いや、哲さんたちは私よりひとつ上だけど。なんというか心が?ほら、男の子って心はいつまでも子供のままって言うじゃん。ホントすごいよ。もう一気に干からびていく気分
「ヒャハ。なにつったってんだよ。もな」
お尻をげしっと蹴られ前にこけそうになってしまう。わわっ。と必死に倒れまいと耐えていると御幸が手を引っ張ってくれたのでなんとか耐えた。ありがとう。とお礼を言うと浴衣なんだから普段みたいに動くなよ。と怒られた。ちょっと待ってよ。今のは倉持じゃん。むすっと拗ねると倉持がヒャハ。とまた独特的な笑いを響かせる。ムカつく。この不良もどき!というと痛くも痒くもねぇ。といって倉持はまた笑う。くそう。
もなさんこっちですよ!いきなりやってきた栄純君が私の手を掴んで引っ張る。御幸とつないでいたては降谷くんが御幸から奪って引っ張られた。あっちのとうもろこしとかうまそうっすよ!たこ焼き。食べましょう。なんだかわからないけど可愛い二人に囲まれればついついほほも緩む。仕方がないなぁ。なんて言ってお財布を出そうとすると今日はダメ!と止められる。僕たちが、今日は出します。なんてかっこいい言葉を言われたけど年下におごってもらうなんて。どうやって断ろうかと迷っているといつの間にか栄純君たちは勝手に食べ物を買ってきてしまう。一人が私の手を持って、片方が買いに行く。こ、これじゃお金出せない!あのふたりがこんな作戦を考えるなんて・・・!
もなさん。ほらうまいっすよ。あーん、形式で食べさせてもらえる食べ物たち。この状態に思わずうっとりしてしまった。し、幸せすぎて辛い・・・!
少し離れたところに御幸を見つけにやりと笑ってみせる。はっはっは。羨ましいか。鼻高々くしながら天使に囲まれるこの状況をいつの間にか楽しんでいた。もなさん。あれやりましょう。そうやって降谷くんが指さしたのは射的だった。いいよいいよ。そしてここでは私が。と財布を出そうとするとじゃ、俺も参戦。なんて言って御幸が割り込んでくる。お前どれが欲しい。なんて聞かれてついあれ。と思わず商品棚に的として並ぶくまのぬいぐるみを指さした。ぶっふ。思いっきり笑われた。なに素直に自分の趣味出してるんだ私。うそうそ!といって誤魔化そうとすると、じゃぁ、あれ落とした奴がこのあともな独占な。なんて言って屋台のおじちゃんにお金を払った。え・・・。はい?!まさかの発言に私が唖然としているとなんだとぉ?!と大きな声を上げてすぐに栄純君も参戦し出す。絶対負けん。なんて気合を込めている姿を見ればまた胸が高鳴った。可愛い。ホント可愛い
降谷くんも無言ですごい気合を出しておじさんにお金を払って銃を受け取る。ならノリで俺も。なんていって倉持まで参戦し出す。バカじゃないのあんた?と素で言ってしまうとあとで覚えてろ。と言われた。よし、今すぐ記憶から抹消しよう。
ここまでならよかった。良かったのにこのあとがおかしい。じゃぁ、僕たちも参戦しようかな。へ?驚いて振り返ればそこには青道の先輩方が立っていた。え、参戦って、まさかこの勝負に?流石にこれにはみんなも驚いて冷や汗をかいている。
手加減はしないからね。倉持の尊敬する先輩の一言はすごく威圧感があったよ



いつまでもあなたは子供のまま

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