結局遊園地には全員で来ることになった。倉持と御幸と春一くんと降谷くんと栄純くん。まぁ一人だけいつもとは違う人がいるけど。
「クリス先輩!まずはあれから行きましょう!」
「落ち着け沢村。全員でちゃんと話し合って、って話を聞け沢村。・・・ったく」
すまんな。と謝れて全員でいえいえと首を横のフル。まさかの沢村君の保護者がやってこられました。もちろんクリスさんのことです。私まだ全然親しくないんですけど。これでも結構人見知りなんですけど。ついついクリスさんにちょっとでも話しかけると丁寧な言葉を使ってしまう。いや、人見知り以前に美しすぎて話すのがもう・・・。うん。倉持には変な目で見られたけどこんなイケメン連れてこられたら誰だってそう思うよ!なんてクリスさんと栄純くんがポップコーンを買いに行ってる間に文句を言えばこれの時は。と御幸を指さされる。御幸・・・?少し悩んでみたがあまりそういった印象を持ったことがない。ああ、そういえばあの人イケメンだったな。程度だ。やっぱりあれだよね。中身の差だよね。はっきりそういえば御幸に思いっきり頬を引っ張られる。そこにポップコーンを買いに行って戻ってきた栄純くんがもどってきて御幸に私をいじめるなと怒ってくれる。ああ、この子ほんとお持ち帰りしたい。可愛すぎる。
「お前今沢村のことお持ち帰りしたいとかエロババくさいこと考えただろ」
「黙れエロメガネ。あんたよりマシだ」
一瞬でイラっとしたせいで素で御幸に怒ってしまう。いけないいけない。今は栄純君たちの前だし。なにより、栄純くんの尊敬する人がいるんだ。下手なことするわけにはいかない。ということで御幸と一緒にいるのはやめよう。どんと降谷くんと春市くんの間に割り込んで御幸から壁を作る。私の考えを悟ってか降谷くんが完全にガードマンになってくれた。優しい子だ。本当に優しい子だよ。
「もなさんは遊園地とか好きなんですか?」
「うん。好きだよ。ああ、でも子供の頃は絶叫系がダメだったけど」
「じゃぁ来てもつまらなかったんじゃ・・・」
「ううん。メリーゴーランドすっごい好きだったから全然良かった。親にはすっごい嫌な顔されてたけど。何回も乗ってさ」
「・・・乗りますか?」
「降谷くんのそれは冗談??冗談だよね??」
こてんと首を傾げられればそれ以上何も言えなかった。たまにこの子すっごい天然だよね。他に好きなものとかありますか?うーん。お化け屋敷かな。あれは身長制限なかったし。ああ・・・。そこで納得されるとほんとに泣くよ。あ、もなさん猫耳売ってます。付けますか?さっきから降谷くんどうしたの?!なんの天然?!わいわいと話していると後ろから頭の上にぽんと何かが乗る。なんだと思って頭を触ろうとするとその手を誰かに掴まれた。振り返れば少し不機嫌そうな御幸がいた。なんだ。倉持とデート楽しんでるかと思ったのに。なんて冗談を言うと本気で怒られそうだったのでやめた。一瞬言いそうになったけどなんとなく危ない気がして逃げた。そしたら後ろから追いかけてくるからなぜか遊園地で本気の追いかけっこが始まる。本気といっても絶対に御幸は全力じゃない。こっちがひーひー言ってるのに逃げるなよもなちゃん。なんて余裕な顔をしてニヤニヤ笑ってるんだから。ぐるっといろいろな所を回って倉持に飛びつき御幸と壁を作る。俺を壁にするなと文句を言うものの倉持はきっちりと壁の役目を果たしてくれた。さてさて、今日一番はしゃいでいる子供は誰なのだろうか。



大人も子供も存在しない世界

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