遊園地に行きたい。また唐突にもながつぶやいた。とりあえずどこの?と聞けば大きなところ。と抽象的な答えが返ってくる。じゃぁ、行くか。というとは?と返ってくる。お前が行きたいって言ったんじゃん。なんだよその反応。というとなんで御幸と?と本気で驚かれた。ほかに誰と行くんだよ。と聞かれれば栄純くん。とはっきり答えられた。お前沢村のことちょっときにかけすぎなんじゃねぇの?というとあんな弟が欲しかったの。と目をキラキラとさせた。俺は嫌だね、あんなのが自分の弟なのも、お前の弟なのも。つか沢村ばっか言ってると腹たってくる。そろそろ後悔させるまでいじめてやろうか。久々の休日なんだからしっかり休まないと。御幸ばてちゃうよ。そんなことを考えている時にこんなセリフを言われるとついつい頬が緩む。じゃぁ、もなちゃんが俺を癒して。なんて言って抱きつけば思いっきり頭にチョップされた。真面目に結構痛かった。痛かった?なんてことを目を輝かせて聞かれるのはすごく複雑だ。素直に痛かったよ。と言えば倉持直伝なの。と嬉しそうに話し出す。こいつホントにあいつらと仲良すぎだろ。倉持に限って万が一はないと思うけどちょっと釘指すべきか。そういえばこの間春市くんがおいしいケーキ屋さんに連れて行ってくれたの!もう本当に可愛いし、美味しいし!最高だったわ。小湊もかよ。にこにこ本当に嬉しそうに笑うもなをぎゅっと後ろから抱きしめる。ほかの男とばっか遊んで、俺は放置か。野球が忙しいからこいつとの時間帯が合わないせいだってわかってるけど、俺以外のしかも知ってる奴が一緒に遊んでるというのがまた腹立たしい。背中にグリグリ頭を押し付けると呆れたようにため息を疲れた。実は行きたい場所があるんだけど一人じゃ入りづらいので一緒に行ってもらえませんか?一瞬聞き間違えかと思った。もなから誘ってくるなんていつぶりだ。いや、半分俺が言わせたようなもんだけど。無性に嬉しくて行き先も聞かずに俺は即答で行くと返す。そしたらもながじゃぁ準備しようか。といって俺に腕を解くように要求された。しぶしぶ今は開放してもなの気が変わらないうちに家を出る。珍しくもなから俺の腕を握ってこっちこっち。といって腕を引っ張る。定期で改札口をくぐって電車に乗って降りて迷わずもなは歩き続ける。たまにここさっきも通った。と思ったけど黙っておく。機嫌損ねたら今から帰るとか言い出しても困る。あった!そう言ってもなはひとつの店の前で止まる。その店を見た瞬間俺は目を見開いて反対方向に一歩脚を出す。だががっしりと掴まれた腕は解けない。どこいくの?いつもなら出さないような甘い声でさぁ入ろ。なんて語尾にハートがつくかのような言い方をする。それいつも俺がやってることですけど・・・。
「かわい〜。もう食べちゃうぞ」
ああ、すげぇいい顔してる。もうこれ以上ないくらいいい顔をしている。確かにこんなところに一人で来るのは勇気がいるだろうな。だからといって男とくるような場所でもない。なにせここは猫カフェだ。そう。あの猫がうじゃうじゃといる喫茶店だ
もなはすでにここの猫にメロメロになってだらしなく頬を緩めている。ああ、可愛い顔しやがって。でもなんでその顔を向ける相手が猫なんだよ。俺でいいじゃん。なんて言えるはずもなく無言でジッと見つめることしかできない。その視線に気づくともなは俺と猫を交互に見比べてにこっと笑う。はい。なんて子猫を差し出されたがそうじゃねぇよ!なんでこいつここまで馬鹿なんだ。沢村といいバカって言うのはホントにバカだ
とりあえずいつまでも子猫を受け取らないわけにもいかず受け取って自分の膝の上に載せる。うわ、ちっせ。ちょっとふわふわした毛がきもちい。気づかない間に少しだけ笑うともながやっと笑った。と嬉しそうに笑う。は?と意味を理解できずに聞き返せばなんでもない。と言われる。まて、今の言葉もっと考えろ。もしかしてこいつ、本当に俺を癒そうと思ってたんじゃねぇの?それでこんな場所に?
「癒されちゃにゃ〜?」
また違う猫を抱いて語尾に「にゃ〜」なんて反則だ。しかもかんでるし。ああ、本当に馬鹿でかわいいやつ。ありがとな。そう一言言えばうひひ。と笑う



馬鹿な子ほど可愛い

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