ウキウキ気分の一也にわたしもうれしくなる。挙式のこと、二次会のこと、忙しいのに一也は楽しそうにいろいろ考えてくれる。球団の人たちと相談しなくていいの?ときくと結婚は商売じゃねぇし。プライベートのことだ。といって話し合う気はないという意思を示した。ううん、それは困った。できる限り一也を引き立てるようにしてほしいと言われているのだが。ドレスはどうしようか。という話になるとさすがに困った。このまえ用意ができたと球団側から電話がかかってきてたのだ。そのことを伝えるべきかどうか悩む。隠してもどうしようもないし素直に話すと一也はなにそれ。と完全に怒った顔になる。だけどわたしは了承した理由をちゃんと説明して、一也と早く一緒になりたいからもめてる時間がもったいないのだと訴えればしぶしぶドレスのことだけは受けれた。だけど進行などは自分で決めると言って完全に拗ねてしまう。困ったな・・・・。
「ねぇ、一也そんなに怒らないでよ。一也はわたしと早く結婚したくないの?」
「したいに決まってるだろ。けど、お前に我慢させるのはおかしいだろ」
「我慢なんてしてないよ?」
「頼むからっ、そういうのやめてくれ。もっとわがままになれよ」
悔しそうに背を向けられる。その背中がいとおしくて仕方がない。うん、確かにねドレスは一也と選びたいなって思った。ちょっと残念だけどその代わり新婚旅行は誰にも追いかけられないようなところにいこ。二人っきりで過ごすの。いいと思わない?・・・・新婚旅行は沢村たちもつれていかねーからな。うん。お兄ちゃんもだめだからな。うん。二人っきりだからな。うん。私もそうがいい。俺さ、もう少しはお前のこと幸せにできると思ってた。会えない日多いし、苦労かけるとは思ってたけど、こんなにだとは思ってなかった。うん。好きだって、愛してるっていうたびにさ、お前もどこか行っちまいそうで怖い。俺の言葉がだんだん嘘に聞こえてくるんじゃないかって不安になる。テレパシーが使えたらよかったね。わたしたち。
くすくすと笑うと一也は困った顔をして私を引き寄せる。なぁ、いつになったら俺はお前を幸せにできるかな。なんて言ってくるから今でも十分幸せなのだと言ってやる。納得しなくたっていいよ。でもほんとに幸せなのだ。この腕の中にいられることが。一也の傍にいられることが。自覚は薄かったけど気づいたのだ、この前のことで。一也がいないだけでどれだけ悲しくて寂しくて苦しいか。今がどれだけ幸せか。一也がいいのだ。一也じゃなきゃ嫌なんだ。だから、ドレスくらいいいよ。この隣を誰かに渡すくらいなら。
「友人代表とかは誰にやってもらう?」
「そうだな。俺倉持くらいしか思いつかねぇんだけど。」
「倉持私の友人代表してくれるっていってたのに」
「おま、それじゃ俺の時誰が言うんだよ。」
「わたし?」
あほか。そういってやっと一也は笑う。それがうれしくて私も笑う。笑顔って人に伝染するんだなぁ。じゃぁ、わたしの友人代表と一也の友人代表まとめちゃおうか。両方やってもらうのでもいいけどな。怒られるよ。なんて馬鹿な話をしてくすくすと笑う。指についた指輪を見つめにんまりと笑う。それを見て一也は私の手を自分の口元に持って行き指輪に口づける。だから私も一也の指についている指輪にキスを落とす。意外とこういうロマンチストさんなのだ。一也は。
「今日は一緒に風呂はいろっかもなちゃん」
「えー、絶対やだ」
そういいながらギュッと抱き着く。新婚旅行は温泉のあるところにでも行く?と聞くとそれもいいな。と一也は幸せそうに笑った。


テレパシーらぶ

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