「いっぱい傷つけると思う。いっぱい泣かせると思う。でも、どうしても俺にはお前が必要なんだ。お前じゃなきゃ嫌だから。お前だから、なりたいって思った。こんなとうしようもない男だけど、世界で一番お前のこと愛してるから、だから俺と結婚してください!」

その言葉を聞いてぼろぼろと涙がこぼれる。嗚呼がもれてうつむく私の頭を葉菜はあの人すごいね。と言いながら撫でてくれた。ほんとに、すごい人なんだよあの人。顔を上げるとテレビでは栄純くんが乗り込んできてそんなの聞いてねー!!!と叫んで俺は許した覚えはない!と騒いでいる。なんでお前に許されなきゃなんねぇの。と一也は栄純くんの額にデコピンをかましていた。ぶるぶると震える携帯に気づき、画面を見れば倉持から電話が入っていた。葉菜は勝手に通話ボタンを押して私の耳に携帯を当てさせる。認めたよ、ちゃんと。そしてちょっと涙ぐんだまま一生懸命笑みを向けてくれた。
もしもし。おう、試合見てたか。うん。おめでとう。ありがとよ。んで、御幸のプロポーズ聞いてたか?うん。聞いてた。じゃぁ返事してやれよ。へ?おい御幸。テレビ画面を見ると倉持が携帯を御幸に渡していた。そして栄純くんにうるせぇ!とチョップを入れていた。まってまって!こ、これテレビで放送されてるよね?!もしもし。なんてのんきな声が聞こえたのをぶち切りした。ば、馬鹿じゃないの!!なんで今電話するの?!テレビ画面に映る一也はありゃ。切られた。といって笑っている。笑ってる場合じゃないってば!あ、もう一回かけなおしますね。スピーカーにしたらおと拾えますか?なんて聞かなくていいから!!かけてこなくてもいいから!!携帯の画面がまた光ってるけど出れるわけがない。するとマイハニー今すぐ出てくれないとテレビに向かってなれそめとかいっぱい今から話しちゃうけどいいのかな?なんて言われて急いで通話ボタンを押した。もちろん第一声は馬鹿じゃないの?!だよ。それ以外になんてこの人に言おうか。
あ。聞こえました。これ俺の恋人です。すごくうれしそうに話す御幸にため息しか出ない。なに、言ってるんだこの人。恥ずかしい。あー、ハイハイ。見てくれてたハニー?・・・。あれ?無言なんだけど。ヒャハ。そりゃこんなことしてるからな。なんて倉持の声まで聞こえてくる。お前今どこいんだよ?・・・秘密です。どうせ席にはいないんだろ?いてたらすぐ見つかってるだろうしな。電話今してるやつなんかお前ぐらいだろうし。わかってるなら電話なんかしてこないでよ!というか、なんで今電話?!返事、今ここで聞こうと思って。は?プロポーズの返事今ここでしてほしいんだけど。一瞬言葉を理解することができなかった。え。返事、今・・・?は?
「今、テレビで放送中だよね・・・・?」
「そうだな。なんなら今カメラ目線だけど俺」
テレビに映る御幸はカメラのほうを見て手をひらひらと振る。そんなふざけてる場合じゃないこれがどういうことかわかてるのだろうか。こんな勝手なことして、球団が怒らないはずない。なんで。御幸野球大切だったんじゃないの?これで今のチーム2軍落ちとか、やめさせられたら・・・・。
「あー、報道陣のみなさまには先にお伝えしときますが。このことについてはしっかりと球団側と話、許可を得ています。自分に女性のファンが多い自覚もあります。それでも、それを裏切る形になっても大切にしたい、人なんです」
それじゃ、もう一度言わせていただきます。僕とどうか結婚してください。電話越しに聞こえてきた言葉に涙があふれて震える声ではい。と返事をした。その瞬間テレビで会場中が歓喜の声にみち、お祝いの言葉が飛び交う。それにお礼を言いながら御幸はらしくないくらい大きな声で吠えて喜びを表した。この日、わたしは大好きな人と結ばれる約束を交わした。


君と絡み合う


prev next

 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -